韓日高校野球チーム数53対4115、その内実は?

日本はほとんどが「同好会」、「エリート」の実力はほぼ同じ

 53対4115。韓日両国の高校野球チーム数の比だ。日本の方が77.6倍も多い。だが、プロ野球チーム数は韓国8チーム、日本12チームでそれほど差はない。

 韓国に9番目のプロ野球チームが誕生するのに伴い、韓日両国の高校野球チームやプロチーム数の比較があらためて話題になっている。そうでなくても底辺が小さいのに、プロ野球の新チームが加われば、試合の質的な低下が避けられないと懸念する声が上がっているのだ。

 しかし、その実情を見ると、韓日野球の底辺の差は誇張されている面がある。

 大韓野球協会に登録されている韓国の高校野球部はほとんどがプロの夢を抱き野球に専念している「特待生」だ。一方、日本の高校野球チームはかなりの数が同好会的な概念を持っている。選手専門ではなく、生活体育としての概念から野球を楽しんでいるということだ。

 2007年、「夏の甲子園野球大会」として知られる全国高等学校野球選手権大会で佐賀北高校が優勝したとき、日本列島は大きく揺れた。スポーツよりも学業に比重を置く「普通の野球部」が野球名門校を下したからだ。

 日本の高校野球チームでも、地域予選を経て甲子園での本選に出場できるのはほとんどが100校ほどの「エリート」チームだけ。中でも優勝常連校は「怪物」松坂大輔(ボストン・レッドソックス)の出身校・横浜高校や、元大リーガー松井稼頭央(東北楽天)の出身校・PL学園など数校だ。

 実際に、日本の高校野球部出身者でプロから指名される選手は0.1%にもならない40人程度しかいない。韓国プロ野球の新人ドラフトでは昨年、計463人の高校生が候補になり、51人が8球団に指名された。

 実力を見ても、その差はわずかだ。韓国高校代表チームは、これまで24回行われた国際野球連盟(IBAF)AAA世界野球選手権大会で優勝5回、3位1回と、日本(準優勝2回)より好成績を収めている。アジア青少年選手権でも韓国は2005年以降、4回の対決で全て日本を破っている。

 1990年代半ばから海外組が活躍し、2000年代以降急成長した韓国プロ野球代表チームが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や北京五輪といった大きな国際試合で日本を苦しめたのと同じことだ。

 イ・ヨンチョルKBS放送解説員は「今や、韓日間で一流選手の実力差はほとんどない。選手育成などチーム運営システムの違いから、日本のプロ野球の方が韓国より少しレベルが高いと評価されているだけ」と話す。

 9番目の球団誕生で、韓国野球全体の幅が広がるという意見もある。野球選手の進路が広がり、高校野球チーム数もどんどん増えていく可能性があるということだ。

丁世暎(チョン・セヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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