「韓国造船業界、製造だけでは中国に勝てない」

【特別企画】韓・中・日 新経済大戦

 造船産業における競争力の判断基準をどこに置くかによって違いはあるが、中国の造船産業は製造業(メーカー)次元では韓国を追い抜くだろう。それでは、韓国はどのような活路を見出すべきか。まずは造船産業の範囲を幅広く捉え、自ら市場を拡大していく開拓者精神が必要なのは間違いない。

 そのため、韓国企業は船舶メーカーから脱却し、サービス業へと生まれ変わることが必要になる。韓国が造船業を通じて積み上げたさまざまなノウハウを、中国が一気に抜き去るのは難しいだろう。これを事業として積極的に活用しなければならない。船舶の運営、管理、保全に関するサービス分野へと進出する方向を模索する必要があるということだ。最近は、各国が環境規制を強化している。そのため船舶分野でも省エネ、エコを追求する流れが形成されるのが確実なため、船舶を活用するソフトウエアを新たに開発するといった運営、管理面でのサービス需要も増えてくるだろう。造船関連のサービス分野は、韓国の造船産業に新たなチャンスをもたらすに違いない。

 また、これまで積み上げた造船業の力量を、今後も限りない成長の可能性がある海洋開発分野へと拡大しなければならない。そのためには、造船所は単に船を製造するのではなく、海と関連するあらゆる開発事業を手掛ける海洋開発業へとビジネスの範囲を広げなければならない。例えば海洋プラントの建設、海洋油田開発、海洋建設事業も、韓国の造船業界が競争力を確保できそうな分野だ。

 もちろん、このような変身を追求したとしても、現在韓国が確保している高負付加価値船舶中心の船舶製造は今後も続けなければならない。

 韓国造船業界の規模や産業全体の比重を考えると、量的側面も決して放棄することはできない。競争力のある部分だけを生かして規模を小さくすれば、日本や欧州の造船産業のように、再び世界的な主導権を確保するのは難しくなるからだ。

ペ・ヨンイル・サムスン経済研究所首席研究員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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