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【大相撲】

相撲協会 無断外出厳禁 自粛ここまで 17カ条の御誓文

2011年2月10日 紙面から

記者会見で理事会と師匠会の報告と今後の予定を語る日本相撲協会の放駒理事長(斉藤直己撮影)=両国国技館で

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 前代未聞の無断外出禁止令が出された−。八百長問題で春場所を中止した日本相撲協会は9日、東京・両国国技館で臨時理事会と師匠会を開き、力士ら協会員の過ごし方の指針として、部屋の師匠への届け出なしでの無断外出禁止を盛り込んだ17カ条の心得をすべての部屋に配ることを決めた。横綱白鵬は八百長問題の発覚後初めて会見し、ファンにおわびするとともに、自身の関与を否定した。 

 理事会後の師匠会で、50部屋の師匠に配ることが決まった「自粛・奨励の17カ条の心得」には、すべての協会員への無断外出禁止が盛り込まれていた。この心得は「自粛の意味を込めて、当分の間(協会が了承するまで)稽古は東京の各部屋で行う」という第1条から始まり、第13条には「各部屋、自宅、病院・治療院、日本相撲協会以外へ外出する際は、全て部屋の師匠に了解を得る」とあった。

 昨年の名古屋場所で、野球賭博に関与したとして謹慎となった親方・力士に、同じような外出禁止令が出されたが、今度はすべての協会員が対象という厳しさ。協会全体を謹慎にしたといってもよさそうな内容だ。錣山部屋など、大阪場所が開かれるはずだった期間中に現地宿舎で稽古を予定していた部屋は、東京に戻らざるを得なくなった。そのうえ、東京での行動は、無断外出禁止も含めて、17カ条によって大きく制約される。

 心得には“みそぎのボランティア指令”も盛り込まれた。放駒理事長は「老人ホームや幼稚園、施設とかの慰問、訪問、ボランティア的なことはしっかり訪問しなさいと言った。大阪で計画しているのであればしっかりやってくるのは大いに結構です」と説明した。協会の広報部へ届け出をした上で、部屋単位の少人数で積極的に行うことを奨励した。

 協会は、大相撲を揺るがした八百長問題は、関与した力士だけの問題ではないという強い気持ちで取り組む決意だ。2007年の時津風部屋力士暴行死事件を受けて作成したガイドブック「協会員のあり方」も再配布する。中堅の部屋持ち親方は「こういう問題があって外出禁止は当然でしょう。うちの部屋は、すでに外出禁止にしています」と言った。ある若手親方は「ボランティア活動も日ごろからやっています。これからも続けていく」と話した。

 生活面で自分たちを追い込み、しっかり自身を見直すんだという姿勢だが、信頼を取り戻すための道のりは険しい。 (岸本隆)

 

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