「ストーカーは冤罪」元教員が校長ら相手に提訴 京都外大西高

2010.08.06

 夏の全国高校野球大会(7日開幕)に出場する京都外大西高(京都市)が大揺れだ。女子生徒へのストーカー行為をでっち上げられ、名誉を傷つけられたとして、元教員の30代男性が校長と女子生徒の両親を相手取り、計1000万円の損害賠償などを求めて京都地裁に提訴したのだ。男性は「学校側は生徒の被害申告のみをもとに一方的に雇用契約を打ち切った」と冤罪を主張している。

 訴状などによると、男性は2001年、同校に非常勤講師として採用され、1年ごとに契約を更新。昨年4月から常勤としてクラス担任も受け持ち、同6月ごろから「家庭のことで相談に乗ってほしい」という女子生徒の要望を受け、メールで連絡を取り合うようになった。ところが、生徒から「私の部屋に来て」「ドライブに連れてって」と頻繁に誘われるようになった。

 男性はいずれも断ったが、同7月に生徒からの誘いに応じて一度、昼食をともにし、後日「メールをやめよう。教師と生徒という関係でお互いに頑張っていこう」と伝えた。すると、生徒の態度が変化。あいさつを無視したり、課題提出を拒むようになり、同10月には両親とともに「男性から強引に食事に誘われ、言い寄られた。つきまとわれ、精神的被害を受けている」と学校側に訴えたという。

 その後、男性は学校側から一方的に自宅待機を命じられた。この間にも学校に呼び出され、両親から「教師に向いていない。学校をやめろ」と言われたり、学校側から「学校に戻れるかどうかは生徒の気分次第」と告げられ、今年3月末での雇用契約打ち切りを一方的に言い渡された。

 また、昨年11月の保護者説明会では、女子生徒の親が「食事や下校をともにするよう誘ったことは教諭(男性)自身が認めている」などと記した書面を持参し、学校側がそれを男性に無断で読み上げたという。

 男性は「書面の内容はまったく事実に反するもので名誉棄損にあたる。両親の勝手な思いこみと校長による悪質な手段で一方的に発表された」と主張。今月5日、同校を運営する学校法人「京都外国語大学」(森田嘉一理事長)に対しても、2000万円の損害賠償を求めて訴えを起こした。

 これに先立ち、男性は京都地裁に雇い止め(契約解除)の無効化を求める労働審判を申し立て、地裁は今年6月、雇い止めの撤回を学校側に命じた。が、男性はまだ復職していない。審判では、学校側から女子生徒のストーカー被害を裏付ける証拠は提出されなかったという。

 男性への対応について、同校の北村聡校長は夕刊フジの取材に「生徒の人権擁護の点から一切コメントしない。教員と生徒の関係でいえば、生徒を守ってやるのが学校長の責任」と話している。

 生徒の父親は、同法人が運営する京都外国語大の関係者。夕刊フジは大学を通じて何度も父親に取材を求めたが、5日までに返答はなかった。

 

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