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最終更新:2011年2月9日(水) 21時30分

エジプトのデモはメディアを変えるか

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 反政府デモが続くエジプト。民衆の不満のひとつに、ムバラク政権に統制されたテレビや新聞が幅を利かせている現状があります。

 騒ぎはエジプト・ジャーナリスト連盟の建物で起きていました。反政府デモの最中に撃たれて亡くなったエジプト人記者の追悼集会。会場の雰囲気が一変したのは、ムバラク政権に近い連盟の会長が現れたときでした。

 「(新聞社の社長に)最高額の補償金を出すよう言いました」(会長)

 「カネの問題じゃないだろ!」
 「ニセ者!ニセ者!」(出席者)

 それは政府の報道統制に対する長年の反発が、一気に噴き出したかのような光景でした。

 「彼はムバラクと変わらない。子飼いなのよ、革命についても批判しかしない」(出席した雑誌記者)
 「エジプトの新聞は全てムバラク政権の子どものようなものです」(出席した新聞記者)

 出席者たちは、その後、反ムバラクデモの拠点、タハリール広場に向かってデモを行いました。するとここで、政府の監視ともとれる異常な数のカメラに遭遇します。

 連日、数万人規模で行われる反政府デモ。しかし、エジプト国営テレビはデモを矮小化するかのような報道に終始してきました。

 「国営テレビの司会者は、我々がケンタッキーフライドチキンをもらっているなんてウソを言っている」(デモ参加者)

 そんな国営テレビも今週に入ってからは、これまで流さなかった抗議集会の映像を放送するようになっています。スレイマン副大統領も、報道の自由の拡大に言及しました。しかし、見せかけだという声も多いのです。亡くなったジャーナリストの家族は・・・。

 「彼は活動的で向上心のあるジャーナリストでした」(死亡したジャーナリストの妻)
 「最高の父でした」(死亡したジャーナリストの娘)

 今回噴き出した民衆の不満は、エジプトのメディアにも新しい時代をもたらすのでしょうか。(09日18:15)

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