京都府舞鶴市で2008年5月、高校1年小杉美穂さん=当時(15)=が殺害された事件で、殺人と強制わいせつ致死罪に問われた無職中勝美被告(62)の初公判が21日、京都地裁(笹野明義裁判長)であった。中被告は「全部でたらめで、うそです。私は無罪です」と起訴内容を否認した。この事件は直接的な証拠がなく、検察側が積み重ねた状況証拠の評価が争点になる見通し。
検察側は冒頭陳述で、小杉さんと中被告とみられる男女が遺体発見現場方向に歩いて行ったとの目撃証言や、付近の防犯カメラの画像などから犯人を中被告と断定。小杉さんの化粧ポーチや財布など、公表されていない遺留品の色や形に関して中被告が自ら特徴を述べ、イラストを作成していると指摘した。
一方、弁護側は、目撃証言は信用できず、「カメラの画像は人物の特徴が指摘できるほど鮮明ではない」と反論。「被告は事件当日の行動について具体的な記憶がなく、供述調書は捜査官の誘導で作られたものではないか」と主張した。
[時事通信社]