2011年1月7日 23時38分 更新:1月8日 0時17分
【ワシントン斉藤信宏】米労働省が7日発表した12月の雇用統計(速報値)によると、失業率が9.4%と前月比で0.4ポイントの大幅低下となった。09年5月以来1年7カ月ぶりの低い水準で、低下幅は98年4月以来12年8カ月ぶりの大きさだった。失業率の低下は6カ月ぶりで、好調だった年末商戦などを反映し、米雇用情勢が改善に向かいつつあることを裏付けた。
景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数も、季節調整済みで前月比10万3000人増と、前月の7万1000人増から増加幅を拡大。市場予想を下回ったが、人口増加率との比較で雇用改善の目安となる水準(10万人増)を2カ月ぶりに上回った。雇用市場の強さを示す指標となる民間部門の就業者数も11万3000人増と前月の7万9000人増を上回った。
就業者の減少数は08~09年の2年間の累計で約800万人に達したが、10年には逆に112万人増えており、米雇用情勢は緩やかな回復を続けている。年末商戦で米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の回復基調が裏付けられたこともあり、米景気の先行きに対する明るい見方が拡大しそうだ。
就業者数の内訳を見ると、サービス部門が全体で11万5000人増と雇用回復をけん引した。個人消費の復調を反映し、小売業が1万2000人増えた。一方、製造業も1万人増とプラスに転じた。