原子力発電所の新たな建設が世界各地で計画される中、核物質を厳重に管理してテロリストなどから守る、いわゆる「核セキュリティー」の具体的な方法を、今後原発を建設する国に伝える新たな機関が茨城県に設置され、4日から本格的な活動を始めました。
4日は、日本原子力研究開発機構が茨城県東海村に新たに設置した「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター」の開所式が行われ、IAEA=国際原子力機関をはじめ、アジアやアメリカ、それにEUなどから原子力の関係者が出席しました。式典では、まず、IAEAのジル・クーリー部長が「原子力エネルギーの安全安心な利用を確保するには、核セキュリティーの対策を世界中で強化することが必要だ」と話しました。原発の新たな建設がアジアを中心に世界各地で計画される中、核物質を狙ったテロを防ぐためには、厳重に管理することや原子力施設の警備を強化するといった対策が欠かせないとされています。支援センターは、今後、各国で核物質を管理する人材を受け入れて研修を行うほか、核物質を簡単に見つけ出すための技術開発などに取り組むことになっています。支援センターの千崎雅生センター長は「世界では核物質の不法な持ち出しも報告されていて、テロに使われれば重大な問題だ。未然に防ぐために貢献したい」と話しています。