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西部謙司 スポーツナビ

いやぁ、優勝っす(2/2)
「犬の生活(特別編)」 ナビスコカップ決勝 千葉0−0(PK5−4)G大阪

2005年11月07日

G大阪を下して初優勝し、カップを掲げサポーターの前で万歳する(左から)阿部、巻ら千葉イレブン=国立競技場
G大阪を下して初優勝し、カップを掲げサポーターの前で万歳する(左から)阿部、巻ら千葉イレブン=国立競技場【 共同 】


■消耗戦


 後半から羽生に代えて工藤浩平を投入。いつもより交代のタイミングが早いのは、羽生の負傷のせいだろう。20分経過で山岸智→水野晃樹はいつもどおり。その間、千葉とG大阪は互いにカウンターの撃ち合いを演じる。G大阪は松下年宏に代えて入江徹を67分に入れる。松下のいた右アウトサイドには、左アウトサイドだった二川をスイッチ。入江は左アウトサイドに入って水野と対面する。これは、水野の攻撃力を抑えようという意図だったが、結論からいえばあまり効果はなかった。右へ回って守備の負担を減らし、攻撃力を生かすはずの二川も足をつらせて動けなくなった。このあたりから、足をつらす選手が続出する。

 フェルナンジーニョの様子がおかしくなり、阿部もクリアの際に芝生ごと蹴って足を痛めた。橋本英郎も足をひきずる。72分、ポペスクが限界とみて林丈統と交代、これもいつもどおりだが、この交代で千葉は3枚のカードを使い切った。G大阪は負傷から復帰したばかりの二川が動けなくなり、重傷から驚異的な回復を見せた宮本恒靖がピッチに立つ。その直前、遠藤保仁の際どいシュートがあった。これはG大阪、最大のチャンスだった。

 ストヤノフのドリブルをカット、正面右寄りで遠藤がキックフェイントから左足に持ち替えてシュートした。逆ポストへ“置く”ようなシュート自体にスピードはなかったが、逆に野球のチェンジアップのようにGK立石智紀のタイミングをずらすことになった。立石はボールが到達するより早く倒れてしまったが、辛うじて手に当てる。そのこぼれ球にアラウージョが突っ込んでシュート、しかし立石が足下に飛び込んでブロックした。

 手元の時計で91分、左サイドで工藤、佐藤と巧みにつないでクロス、林がニアでつぶれ、ファーサイドに詰めた巻がゴール! かと思われたがファウルでゴールならず。こちらは千葉の最大のチャンスだった。


■気力の延長


 延長に入ると、選手の疲労は著しくなっていく。實好とアラウージョの足がつる。巻もつる。しかし、最初に足にきていたはずのフェルナンジーニョが見事なスルーパスを出し、ダイアゴナル・ラン(斜めに走る動き)で抜け出した大黒が反対サイドへシュートを巻き込んだが、引っ張りすぎて枠の外へ。水野の再三のクロスも、シジクレイの壁が跳ね返す。延長前半、G大阪のパス回しをじっくりと待ってカウンターを狙い、実際に何度かいい形に持ち込んでいた千葉だったが、後半になるとほとんど蹴り返すのが精いっぱいになっていた。G大阪は橋本に代えて吉原宏太を投入して勝負に出るが、千葉の必死の守りにゴールを割れない。

 PK戦。G大阪の1人目、遠藤のシュートを立石が蹴る直前まで動かず、右へ跳んでストップ。残りは双方とも全員が成功させ、PK5−4で千葉が初優勝を飾った。

 最後に、いつもつい忘れてしまうのだが主審について。松村和彦主審の判定はとても良かったという印象だ。レフェリー中心に試合を見ることはないので、具体的にどこが良かったかは指摘できない。ただ、印象としては非常に落ち着いていて、しっかりゲームをコントロールしていたと思う。申し訳ないが、いい審判ほど存在が気にならないもので、つい書き忘れてしまう。今回は決勝ということもあり、付記しておきたい。


■一番幸福な日(愛犬家の感想)


 最初にいろいろ書きましたが、やっぱり優勝はいいもんです。特に初ですからね。

 臨海の報告会は優勝祝賀会となったわけですが、ゴール裏だけでなくバックスタンドまで埋まっていました。たぶん、この優勝を目にした人々はクラブの一番幸福な日の証人です。これから何回優勝するかはわかりません。何度優勝してもいいものだとは思いますが、やはり“最初”は特別です。たとえ、ジェフがこれから何度もリーグ制覇して、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)も世界選手権も勝っちゃうようなクラブになったとしても、ナビスコカップ初優勝の喜びは味わえません。僕らがお爺さんやお婆さんになったとき、「わしはジェフの初優勝を見ておるのじゃ」と、孫に自慢しましょう。

 そして、これが“最後”にならないように、ここでねじを巻きましょう(選手の皆さんは特によろしく)。ぶっちゃけ、1つ優勝して選手の年俸が上がるだけでは来季の編成が難しくなるだけでしょう。できればリーグ優勝で、あと2億円ゲットしましょう。そこまでいって、初めて劇的に状況が変わるはずです(スポンサー様もよろしく)。では、採点。あ、一部点数がヘンに思われるかもしれませんが気にしないように。いちおう、いつもどおり10点満点ですから。


GK 立石    14.5 MOMゲット。入る気がしねえ
DF 斎藤    13.0 “戦うお父さん”はヘディングで負けません
   ストヤノフ 15.0 自信と実力の相乗効果というべきものを見せつける
   結城    12.5 アラ様をよく抑えた。自爆ドリブルもあったが……
MF 坂本    13.0 ほんとに丈夫なのね。カウンターでは惜しいパスあった
   阿部    14.0 ジェフで育ったキャプテン。次の世代が君を熱く見ています
   佐藤    13.0 遠藤相手に苦労もしたが互角に渡り合ったのはさすが
   羽生    12.0 サポ贈呈の“アルミ杯”を大事そうに持っていました
   山岸    12.0 イキのいい時間帯の二川に食いついていたのが後々効いた
FW 巻     14.5 まだうまくなる余地が十分ある。つまりもっと上へ行ける
   ポペスク  13.0 動ける時間帯は攻撃をリードしていた

交代 水野    13.5 右から再三のチャンスメーク。PKもバッチリ
   工藤    13.5 トラップの上手さだけで見る価値ある。キックを飛ばそう
   林     13.0 PKは一番安心して見ていられた。右足キック絶品

<この項、了>

西部謙司/Kenji NISHIBE

1962年9月27日、東京生まれ。少年期を台東区入谷というサッカー不毛の地で過ごすが、小学校6年時にテレビでベッケンバウアーを見て感化される。以来、サッカー一筋26年、早稲田大学教育学部を卒業し、商事会社に就職するも3年で退社。サッカー専門誌の編集記者となる。95〜98年までフランスのパリに在住し、欧州サッカーを堪能。主な著作に『Eat foot おいしいサッカー生活』『スローフット なぜ人は、サッカーを愛するのか』『Game of people アジアカップ&ユーロ2004超観戦記』(いずれも双葉社)、『サッカーがウマくなる!かもしれない本』『監督力』『技術力』(いずれも出版芸術社)がある

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