2011年1月5日 20時35分 更新:1月5日 23時53分
5日午前10時半ごろ、東京都内で119番通報がつながりにくくなった。119番を受信する東京消防庁の災害救急情報センターのシステム故障が原因で、予備回線への切り替えもできなかった。4時間半後の午後2時55分ごろに復旧したが、東京消防庁が詳しい原因を調べている。
故障したのは、受信した119番から災害種別や住所によって出動可能部隊を自動的に編成するコンピューターシステム。千代田区と立川市にある2カ所のセンターともシステムダウンした。職員が各消防署に連絡・調整することになったため1件ごとの通報処理に時間がかかり、119番に電話してコール音はするものの、なかなかつながらない状況になった。
東京消防庁はこの間、ヘリコプターを出動させて上空から火災の発生を警戒。各消防署も高層建築物から見張り、芝消防署は東京タワー展望台に署員を派遣し、双眼鏡で監視した。
この4時間半にあった通報は506件(火災3件、救急車要請490件など)に上ったが、東京消防庁は「受信件数は通常通りで災害対応などへの大きな影響はなかった」としている。稲城市と島しょ部はシステムに入っていない。
東京消防庁への119番は09年、1日平均で2619件に上る。
東京消防庁は「約4時間半、119番通報がつながりにくい状況になったことを深くおわび申し上げます。原因を究明し、再発防止に取り組んでまいります」とのコメントを出した。【小泉大士】