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飼い主と獣医師が考える「ペットの避妊・去勢」

 避妊・去勢する方がいいのか、しない方がいいのか。それを決めるためには「自分がペットと一緒にどう暮らしていきたいのか」ということを考え直す必要があります。


 今回は、ペットオーナーと獣医師を対象にアンケートを実施。その結果をご紹介いたします。
飼い主と獣医師が考える「ペットの避妊・去勢」

犬は半数、猫はほとんどが避妊・去勢手術をしている

 アンケート結果によると、グラフでわかるように、犬と猫では大きく結果が異なりました。

 一般に猫は家の外と中を自由に出入りさせる方が多く、繁殖の機会が多くなるからだと思われます。また、今回のアンケート調査では、他の全国調査結果より避妊・去勢の割合が高い結果がでています。

ペットオーナーに聞きました。
「あなたのペットは避妊・去勢手術を受けていますか?その理由は?」
犬の場合 猫の場合
犬の場合:グラフ
猫の場合:グラフ
受けている理由 受けている理由
1位 病気予防
2位 繁殖させないため
3位 発情期のストレス軽減
4位 マーキングさせないため
1位 繁殖させないため
2位 発情期のストレス軽減
3位 病気予防
4位 マーキングさせないため
受けていない理由 受けていない理由
自然なままがいい
子どもを産ませたい
タイミングを逃した
病気だから
おとなしいから
必ずしも病気の予防にならないと聞いたから
子どもを産ませたい
室内飼いの為、必要ない
避妊・去勢処置の有無(2003年 ペットフード工業会調べより)

ペットオーナーはこう考える

 アンケートより、手術を受けさせたペットオーナー、受けさせなかったペットオーナーが、それぞれどんな風に考えているのか、まとめてみました。

手術を受けさせたペットオーナー
〜手術を受けさせた感想〜
犬の場合
良かったこと 悪かったこと
マーキングしなくなった。
散歩時に他の犬の臭いを気にして、せわしなく歩いていたが、手術後はゆったりとしたペースで歩けるようになった。
マウンティングが完全になくなった。
外出するのに、タイミングや周囲への配慮が不要になった。
性格がおとなしくなった。
他の犬に吠えなくなった。
外出したとき、無用のトラブルをおこすことがなくなった。
生理時の出血がなくなった。
生理中のメスに反応しなくなった。
1年中、オスメス関係なく遊ばせられるようになった。
病気の心配が減った。
手術後1週間は切った周辺が腫れてかわいそうだった。
抜糸までのエリザベスカラーをつけた生活がかなりストレスのようで、かわいそうだった。
手術後の麻酔などで具合の悪い状態を見たときは、かわいそうだった。
太りやすくなったと思う。
この子の子どもが見てみたかったとも思う。
ホルモンのバランスがくずれたのではないかと思う。

猫の場合
良かったこと 悪かったこと
夜鳴きがなくなった。
外に出ることが少なくなった。
おとなしくなった。
頭数が増えないので、今いる子たちにたっぷり愛情とお金をかけることができる。
発情のストレスが減って、明らかに猫の状態が良くなった。
マーキングがなくなった。
子どもっぽい性格のままなので、かわいい。
家の外で感染する恐れのある病気を予防できるようになって安心。
一度くらいは子どもを産ませてあげたかった気もする。
手術後、かわいそうだった。
値段だけで病院を選んでしまい、傷の治り具合が遅いので心配だった。 値段が高くても、かかりつけの先生にお願いすればよかったと思う。
太りやすくなった。
動物の本能として、妊娠や交尾という幸せを味わわせてあげたかった。

避妊・去勢について思うこと
手術を受けさせているペットオーナー
自然のままがいいと思うが、現在のペットを飼う環境では必要だと思う。大切な我が子とできるだけ長く一緒にいられるように配慮することが大切。
繁殖はしっかりとした知識と時間がある人がやるべきで、素人による繁殖は遺伝病などの責任がとれない。うちの子の子どもが見たいという理由だけで手がけるべきではなく、将来にも責任をもつべき。
オスの去勢については睾丸をとるのではなく、人間のようにパイプカットで簡単に去勢できるようにしたらいいと思う。
避妊手術を受けさせて良かったとは思っているが、うちの子は子宮系の病気にならなかったかもしれない、病気でもない子のお腹をひらいてしまって本当に良かったのか? との考えがよぎり、本当によかったのかどうかまだ少し疑問が残っています。難しい問題だと思います。
はじめは「痛い思いをさせてまで…」と反対でしたが、多頭飼いの私にとって、受けるメリットと受けないデメリットを比較したら、受けるメリットの方が圧倒的に多かった。

手術を受けさせていないペットオーナー
発情期のストレスは飼い主にもあるが、だからといって、リスクを背負わすのは人間のエゴだと思う。
うちの子はオスだが、あまりにマウンティングがひどいため、獣医師に相談したところ、インプラントを 埋め込むタイプの一時的な去勢をすすめられてしたが、全く効果なし。結局、去勢手術はしていないが、子犬のときに詳しい知識をもって対応していればよかったと後悔している。
犬種別、性別、年齢別のメリットとデメリットがわからない。
繁殖を望まないなら必要。ただ性格が荒いとか、マウンティングが激しいという飼い主の悩みでするのは どうかと思う。飼い主のしつけで直せることもあるのだから。
避妊を動物虐待という人がいる。でも、無責任に放し飼いをして、子猫を放置するのはどうなのか。子猫の命を守れないなら、バースコントロールもやむを得ない。

獣医師はこう考える

 手術を執刀する獣医師はどう考えているのでしょう。大多数が肯定派という結果でした。


 しかし、麻酔をはじめ、手術を行う以上100%安全というわけでもないことをふまえ、「ペットの行動や性格改善のため」といった程度の理由で気軽に手術することには注意を呼びかけています。(実際、避妊・去勢手術により、必ず、性格が改善する効果が表れるとは限りません) 


 獣医師が肯定する理由は、動物の命を大切に思うからこそ。高齢化により増加する病気の発症率を抑えたい。また、不幸な野良猫や犬をこれ以上増やしたくない。メリットとデメリットを比較した結果、メリットの方が勝ると考える方が多いようです。
獣医師はこう考える:グラフ
「犬猫の避妊・去勢について、 どう思われますか?」
肯定派の理由 中立派の理由 否定派の理由
病気予防
野良猫・犬の減少
ペットが飼いやすくなる
発情期のストレス軽減
寿命が長くなる
メリット、デメリットを話し、飼い主の判断に任せる
猫はメリットが高いが、犬はしつけができるなら、無理にすることはない
犬は肥満しやすくなる
ホルモンバランスがくずれる
種の断絶に疑問

避妊・去勢のメリット&デメリット
避妊
メリット デメリット
性的ストレスがなくなり、 寿命が延びる傾向にある
望まない妊娠を避けられる
生理、発情期の ストレスから解放
子宮の病気、乳がんの予防
飼い主のストレスも解消
妊娠できなくなる
肥満傾向になるが、適切な運動と食事療法で問題なし

去勢
メリット デメリット
性的ストレスがなくなり、寿命が延びる傾向にある
望まない交尾を避けられる
発情期のストレスから解放
前立腺の病気、精巣・肛門周辺の腫瘍などの病気の予防
攻撃的な性格、支配性が緩和される
飼い主のストレスも解消
交尾できなくなる
肥満傾向になるが、適切な運動と食事療法で問題なし

最後に
 ペットの避妊・去勢については、肯定派、否定派、中立派という、さまざまな意見があることがわかりました。また犬と猫では状況が違うようです。


 動物愛護管理法では、ペットを飼う人すべてに、その動物を終生大切に飼うこと・動物の習性を理解して適正に飼うことが定められています。ペットと末永く幸せに暮らすためには、この基本的ルールをしっかり守ることが大切です。じっくり考えた上でかかりつけの獣医師とよく相談して、最善の選択をしましょう。


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