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銀輪の死角:自転車押してね御堂筋 走り出すマナー対策 大阪市、声掛け運動へ

歩行者を縫うように歩道を勢いよく走り抜ける自転車=大阪市中央区の御堂筋で、後藤由耶撮影
歩行者を縫うように歩道を勢いよく走り抜ける自転車=大阪市中央区の御堂筋で、後藤由耶撮影

 マナーの悪さが指摘される大阪の自転車事情。大阪市は、繁華街にあふれる違法駐輪対策に躍起だが、今度は、運転マナーの改善に乗り出す。市内で実施した調査では、歩行者の7割以上が自転車に危険性を感じていたことから、自転車を押して歩くよう呼び掛ける社会実験を来年度初めて実施する。果たして歩行者と自転車の“共存”は進むのか--。【平川哲也】

 大阪府内の自転車台数は651万台(08年)。総保有台数は東京都(899万台)に次いで2番目。人口1人当たりの台数は0・74台で、0・77台の埼玉県(543万台)に次ぐ2番目だ。だが、歩行者の間を猛スピードで走るなどマナーの悪さが指摘されている。国土交通省大阪国道事務所が昨年、大阪のメーンストリート御堂筋について行ったアンケート(回答962人)でも「歩行者や自転車が混在し歩きにくく、危険である」との問いに、73%が「問題」か「やや問題」と答えた。

 大阪の中でも、歩行者と自転車の「錯綜(さくそう)状態」が顕著なのが、この御堂筋だ。同事務所の05年の通行量調査(午前7時~午後7時)では、歩行者数は心斎橋周辺の御堂筋が2万5109人で府内トップ。自転車の交通量も増え、心斎橋周辺で同じ時間帯の自転車通行量は5820台(09年)。77年(746台)の約7・8倍に上る。標識で自転車の歩道走行が認められている。車道が南向き一方通行のため、北へ向かう自転車が集中するのも錯綜の一因だ。

 このため大阪市は、御堂筋で自転車を押して歩くよう呼び掛ける社会実験を1カ月程度行う方針を固め、人件費など2500万円を予算計上した。通行人に声掛けやチラシで理解を求め、急いでいる人は別の道に誘導する。詳細な実施場所や時期は、大阪府警などと協議する。

     ◇

 一方、違法駐輪は撤去と駐輪の“いたちごっこ”を繰り返しながらも、市内全域では減少。07年度の約5万台から昨年2月は約3万9000台に減った。市は地下鉄利用を促すため、市営地下鉄の1駅間を現行の200円から100円にする値下げも検討している。

毎日新聞 2011年2月9日 大阪夕刊

 

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