広島市は2011年度、JR広島駅(南区)の南北を結ぶ自由通路の工事を始める。回遊性を高め、周辺地域の活性化につなげるのが狙い。自由通路の整備に合わせ、JR西日本も駅構内の商業用スペースを広げ、「駅ナカ」ビジネスの拡充を図る。
自由通路は17年度の完成を予定する。南口広場と新幹線口(北口)広場をつなぎ、長さ180メートル、幅約15メートル。改札を経て新幹線口につながる現在の陸橋を撤去し、同じ位置に設ける。改札を通らずに駅の南北を行き来できるようになる。
JRは、自由通路の両側に商業施設や橋上駅が入るスペースを整備する。駅全体の商業スペースは現在より1・6倍に広がる。
自由通路の総事業費は約127億円。うち市が9割、JRが1割を負担する。建設工事は、駅北口の二葉の里(東区)土地区画整理事業の施工者である独立行政法人の都市再生機構(横浜市)に委託する予定だ。市は、11年度当初予算案に実施設計と駅設備の移転工事の関連経費約6億円を計上した。
自由通路は、駅北口で市が整備する歩行者専用橋にも連結。歩行者橋は三つまたに延び、若草地区に3月オープン予定のシェラトンホテル広島、マンション、歩道などとつながる。歩行者橋も17年度の完成を予定する。
|