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長野電鉄・屋代線廃止決める 代替バス運用へ 活性化協

2011年2月3日

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 長野電鉄・屋代線(千曲市・屋代―須坂)が廃止されることになった。振興策を議論してきた活性化協議会(会長・酒井登長野市副市長)は2日、委員の投票で路線を廃止し、代替バスの運用を決めた。投票は14対11(白票1)で「廃止」が「存続のための実験継続」を上回った。協議会は今後、バスの運行ルートなどの検討に入るが、沿線住民や長野、千曲市議会からは「実験継続」の要望も出ている。「(投票による決定は)前例がない」(国土交通省)こともあり、先行きに不透明な部分も残る。

 協議会事務局(長野、須坂、千曲3市)は、新年度の対応について(1)鉄道存続のための実験継続(2)鉄道を休止、バス代替の実験開始(3)鉄道を廃止し、バスに転換の3案から1案を多数決で選ぶことを提案した。

 これに対し、「やるべきことをやっていないのに、行政側が多数決で決めていいのか」(識者代表の古平浩委員)、「住民も行政に頼らず、努力している。結論を出さないでほしい」(長野市の若穂地区住民自治協議会会長の星沢重幸委員)など、採決に反対する意見も出た。

 しかし、酒井会長は「多数決で決めることは昨年12月の協議会で決めたこと」とし、無記名による投票を実施。その結果、会長を除いた委員26人のうち過半数の14人が(3)を選んだ。

 協議会は今後、地域住民の意見を聞きながら、代替バスのルートなどを決定。その上で、長野電鉄は、国に屋代線の廃止届を出す。バス運行の赤字分は、国の交付金と3市が補填(ほてん)する。

 屋代線の利用者数は1965年の330万人をピークに2007年度は48万5千人まで減少、1億8千万円の赤字となった。累積赤字も50億円を超え、同社の経営を圧迫していた。このため09年春に3市は活性化協議会を設置、存続の道を探ってきた。しかし同社の路線廃止の意向は変わらず、3市も廃止容認に傾いていた。

 協議会の後、記者会見した酒井会長は「早急にバス路線の検討を行い、住民の移動の手段の確保を図りたい」。長野電鉄の笠原甲一社長は「今度どのような代替バスを走らせるかは協議会で議論してもらい、責任を持ってあたりたい」と述べた。

 屋代線の問題については、長野市議会と千曲市議会の特別委員会が、実験の継続を求める要望書を各市長と活性化協議会に出しており、議会でも論議されることになりそうだ。(杉本裕明)

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