佐賀県鳥栖市飯田町の市道で04年2月、大刀洗町の会社員、入口和俊さん(当時24歳)が他殺体で見つかった事件で、和俊さんの遺族と鳥栖署は7日、有力情報の提供者に遺族が私費で最高200万円の謝礼金を支払うことを定めた協定の期間を1年間延長した。協定延長は昨年に続き2回目。
事件発生から9日で7年。同署で会見した和俊さんの父俊(たかし)さん(73)は「犯人にあきらめたと思われたくない」と力を込めて懸賞金延長の理由を語った。
また、昨年4月の刑事訴訟法改正で、殺人などの公訴時効が撤廃されたことについては「遺族の味方になってくれる法整備」と評価。「逃げられない世の中になってきたことを犯人は知ってほしい」と述べた。母秀子さん(67)は「いまだに心の整理がつかない」と涙を浮かべた。
和俊さんは04年2月9日、市道側溝に脱輪した軽乗用車内で他殺体で発見された。助手席で休んでいたところ、運転席側から鈍器で頭を数回殴られたとみられる。
警察庁は08年2月に同事件を、上限300万円の公費懸賞金の対象にしたが、09年2月に期限切れ。遺族は同年2月から私費による懸賞金提供の協定を鳥栖署と1年ごとに結んでいる。
昨年末までに185件の情報が寄せられたが、犯人逮捕には結びついていない。情報提供は鳥栖署捜査本部(0942・83・2131)。【遠藤雅彦】
〔筑後版〕
毎日新聞 2011年2月8日 地方版