あかつき:燃料タンクの圧力急減 逆噴射開始の直後

2010年12月10日 12時50分 更新:12月10日 17時7分

 金星周回軌道への投入に失敗した日本初の探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日会見し、あかつきが減速のためのエンジン逆噴射を開始した後、燃料タンクの圧力が急減する異常が起きていたと発表した。燃料をエンジンに供給する配管やバルブがなんらかの原因で詰まった可能性もあり、今後詳しく調べる。

 JAXAは今回の失敗の調査・対策チームを発足させ、あかつきから送られてきたデータを解析して原因究明を進めている。

 その結果、あかつきは逆噴射開始から2分32秒後までは順調に減速していた。しかしその後、機体の姿勢が崩れ、6秒後に姿勢を保つ機構が作動。この時に燃料バルブが閉じて逆噴射が中断したとみられる。さらに3分37秒後、機体は非常事態の際に取る「退避姿勢」に入ったことが分かった。姿勢急変の原因は、現時点では不明だという。

 一方JAXAは同日、あかつきが遠ざかる金星を撮影した画像を公開した。撮影時間は、軌道投入失敗後の9日午前9時ごろ。金星との距離は約60万キロで、地球と月の距離(平均約38万キロ)の約1.5倍。【山田大輔】

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