イラン:テヘランの大気汚染深刻化 経済制裁も悪化に拍車

2010年12月9日 11時9分 更新:12月9日 12時45分

テヘラン市中心部はどこに行っても排ガスとクラクションの騒音でいっぱいだ=2010年12月、鵜塚健撮影
テヘラン市中心部はどこに行っても排ガスとクラクションの騒音でいっぱいだ=2010年12月、鵜塚健撮影

 【テヘラン鵜塚健】人口増と交通渋滞が慢性化するイランの首都テヘランで大気汚染が深刻化し、地元紙は「汚染度が世界一になった」と指摘。体調不良を訴える市民も増え、イラン政府は休日増や車両制限で必死に対応している。核問題を巡る経済制裁で、イランはガソリンが十分に輸入できなくなり、大量のガソリンを自前で生産。多くの市民は「粗悪なイラン製ガソリンによる排ガスが大気汚染の原因だ」としている。

 6日付のイラン紙シャルグによると、テヘラン市内の大気は公害基準を上回る危険な状態が前日まで25日間続き、従来の世界記録の連続日数を更新。有害浮遊物質は基準の10倍を超え、呼吸障害や頭痛などの救急病棟の患者が市内で4割増えたという。

 政府は11月末から政府機関や銀行、学校の臨時休日を繰り返し導入したり、ナンバープレートによる市内の車両制限を連日実施。7日には航空機で上空から水をまいたが、大幅な改善にはつながっていない。

 今年7月、米国は独自の制裁措置でイランへのガソリン禁輸を決定。ガソリン精製能力が低いとされるイランはこれまで約4割を輸入に頼っていたが、本格的な増産に乗り出した。8日付の地元紙エテラートは「現在使われているガソリンは不純物が多く、大気汚染につながっている」との専門家の指摘を掲載した。

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