タコイカウイルス:作成者が無罪主張…東京地裁初公判

2010年12月9日 19時54分

 「タコイカウイルス」と呼ばれるコンピューターウイルスを流し、感染したパソコンのハードディスク(HD)を使用不能にしたとして、器物損壊罪に問われた大阪府泉佐野市、無職、中辻正人被告(27)は9日、東京地裁(岡部豪裁判長)の初公判で「HDを使用不能にしていない」と無罪を主張した。弁護側は「ウイルスの悪影響は一時的なもので、器物損壊罪は成立しない」と述べた。

 中辻被告はこのウイルスの作成者。パソコンがウイルスに感染すると、大半のファイルがタコやイカなど魚介類の画像に書き換えられて使用不能になる。

 検察側は冒頭陳述で、中辻被告が09年6月にウイルスをファイル共有ソフト「ウィニー」に仕掛けることを思いついたと指摘。感染したパソコンのファイルを、専門業者でも完全復旧は不可能な状態にしたと主張した。感染は約3万件余に上るとしている。

 起訴状によると、中辻被告は今年5~7月、男性3人のパソコンにウイルスを感染させ使用不能にしたとしている。

 日本にはウイルス作成を直接罰する法律はなく、被告は08年にも同級生の写真を使ったウイルスを作成したとして著作権法違反などで起訴され、京都地裁で有罪判決を受けた。【伊藤直孝】

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