ノーベル平和賞:授賞式参加の楊氏「囚人1人恐れる中国」

2010年12月9日 12時41分 更新:12月9日 13時42分

毎日新聞の取材に応じる楊建利氏=オスロ市内で、大谷麻由美撮影
毎日新聞の取材に応じる楊建利氏=オスロ市内で、大谷麻由美撮影

 【オスロ大谷麻由美】オスロで10日に行われる中国の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(54)のノーベル平和賞授賞式に参加する米国在住の中国人活動家、楊建利氏は8日、毎日新聞の取材に応じた。中国が各国に授賞式への出席を見合わせるよう「圧力」をかけた結果、多数の国が欠席する事態となったことについて、「中国政府は非常に強大な力を持つかもしれないが、劉氏というたった一人の囚人をこれほどまでに恐れているのだ」と述べ、強圧外交を繰り広げる中国を批判した。

 楊氏は授賞式に参加する在外の活動家50人のとりまとめ役を務めている。

 劉氏の授賞式に対して、中国は自国の欠席にとどまらず、多数の国にまで影響力を行使した。このことは、国際社会で存在感を増す中国の力を見せつけた一面もある。

 一方で、楊氏は「中国の民衆は文明社会では当たり前の自由、民主といった普遍的価値を望んでいる。その願望を代表するのが劉氏だ」と主張。中国の指導者は、国内の民主化運動に厳しい弾圧を行ってきた過去の行為や考え方について、「民衆が既に受け入れていないことを知っている。だから余計に劉氏を恐れる」と説明した。

 また、7日までに19カ国が授賞式欠席を決めたことには、「遺憾だが、誇りある決定でないことを各国も自覚しているはずだ。将来に後悔を残すことになるだろう」と述べた。

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