2010年12月9日 12時14分 更新:12月9日 12時21分
金星周回軌道への投入に失敗した日本初の金星探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長は9日の定例会見で、「(小惑星探査機)はやぶさで良いムードに盛り上がった中、残念ながら失敗した。深く反省し、二度と起きないように対策に努めたい」と述べた。
あかつきは7日朝、金星に約550キロまで最接近し、エンジンの逆噴射で減速して軌道投入する計画だったが、直後に通信が途絶。その後、逆噴射が短時間で中断し、金星近くを通過して軌道投入に失敗したことが判明した。
立川理事長は「まずは原因究明。既にあかつきから詳細なデータが得られたので、比較的早期に原因究明ができるのではないか」と述べた。その一方、14年打ち上げ予定の日欧共同の水星探査機や、はやぶさ後継機などの今後の計画への影響には「原因に基づく対策は行うが、予算には直接影響がないことを期待したい」と述べた。
また、新開発のエンジン「セラミックスラスター」が破損した可能性には「直接原因なのか、今の段階では言えない。国産品だから悪かったということにはならないよう期待している」と述べた。【山田大輔】