2010年12月9日 11時7分 更新:12月9日 11時17分
仙谷由人官房長官は9日、日本商工会議所の岡村正会頭と東京都内で懇談した。仙谷官房長官は冒頭、「日本経済のリーダーの皆さんのかつての成功体験に対する思い(への固執)が20年間のデフレと低成長を生んだ。これをどう突破するかだ」と述べた。また、政府としては新成長戦略の実行を急ぐ方針を示した。日商の岡村会頭は懇談終了後、記者団に対し「20世紀型の経営に引きずられ、21世紀型に対応できていなかった。(仙谷官房長官の)指摘は的を射ている」と語り、経営者の意識改革の必要性を認めた。
懇談会では、日商側が、取引先の生産拠点の海外移転が加速し、中小企業を取り巻く経営環境が厳しさを増している現状を説明。その上で、法人税引き下げなどの支援を求めた。これに対し、仙谷官房長官は法人税引き下げには直接触れず、「中小企業の海外展開や人材育成などを政府として側面的に支援する」と応じた。【宮崎泰宏】