政治【産経抄】2月8日2011.2.8 02:57

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【産経抄】
2月8日

2011.2.8 02:57

 特定の人物や組織をヒール(悪役)に仕立てる。政治家が、自らを正当化するために取る常套(じょうとう)手段だ。平成13年に外相に就任した田中真紀子氏は、不祥事が続出していた外務省を、「伏魔殿」と非難して、世間の喝采を浴びた。

 ▼その外務省の意外な味方となったのが、コンビニ業界にくわしい竹内稔さんだ。著書の『コンビニのレジから見た日本人』(商業界)のなかで、客のわがままに悩む店が多いなか、「『伏魔殿』と呼ばれた中央官庁内」の店の客のすばらしいマナーを絶賛していた。

 ▼6日投開票された愛知県知事選と出直し名古屋市長選は、予想通り、大村秀章氏(50)と河村たかし氏(62)の圧勝に終わった。民主、自民の二大政党、とりわけ菅首相への失望の表れといえる。ただそれ以上に、名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票で賛成票が7割を超えた事実からは、市議会の味方がいかに少ないかがうかがえる。

 ▼河村氏は、公約の市民税10%恒久減税をめぐって、市議会と対立していた。もっとも有権者の関心はむしろ、1600万円もの議員報酬ではないか。衆院議員時代、都心で家賃の安い議員宿舎への入居を拒否した河村氏だから、余計に報酬半減の主張に説得力があった。

 ▼河村氏によって「ヒールに仕立てられた」と嘆いても始まらない。「議員報酬の減額は受け入れる。しかし、財源のない減税にはあくまで反対する」。こんなふうに河村氏に立ち向かっていけば、有権者の見方も変わるはずだ。

 ▼竹内さんは、「コンビニから日本を変えよう」と主張する。「地方議会から日本を変えよう」。4月に迫った統一地方選では、全国の気骨ある候補者から、こんな声を聞きたいものだ。

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