|
|
佐世保の小学生の事件は、ネット上で悪口を言われたため逆上したという解釈が多いようですが、わたしはそうは思いません。亡くなった被害者のウェブサイトも見ましたが、人のいやがることをするような少女には思えませんでした。むしろ、加害者に自分のウェブサイトを荒らされたのにもかかわらず、騒ぎ立てずに加害者があきらめるのを待つ度量のある少女だと思いました。
お父さんの手記を読んでも、背中がかゆくなると「孫の手」ならぬ「お〜い娘の手〜」と呼ぶと、「はいはい」といつでも飛んで来る優しいユーモアのある少女だったようです。
心理学の研究も進んできている世の中ですし、そろそろ「殺人=被害者に対する怒り」という単純思考で事象をとらえるのはやめてもらいたいと思います。
【※1】
映画『リトル★ニッキー』2000年アメリカ
監督:スティーブン・ブリル
出演:アダム・サンドラー、ハーベイ・カイテルヘビメタをパロディにしたコメディ映画。地獄を支配する魔王一家の物語で、魔王の座をめぐって兄弟3人が地上や天国を巻き込んで権力闘争を繰り広げます。シカゴのレコードを逆回しにして悪魔のメッセージを聞いたり、オジー・オズボーンがコウモリの頭を食いちぎるエピソードとかが出てきて、ヘビメタ好きにはたまりません。
ヘビメタは悪魔崇拝の音楽というとらえかたをされていますが、ファンは本気で悪魔崇拝していたわけではなく、悪魔崇拝というファンタジーを楽しんでいたということがよく描かれています。いわゆる大人の余裕です。映画『パルプフィクション』『キル・ビル』の監督タランティーノがカメオ出演していていい味出してます。
【※2】
映画『フル・モンティ』1997年アメリカ
監督:ピーター・カッタネオ/出演:ロバート・カーライル製作はアメリカの映画会社ですが、スタッフ&キャストはほとんどイギリス人です。舞台もイギリスのかつては鉄鋼業で栄えたけれど、今は寂れた地方都市。失業中の6人のおじさんたちが、人気男性ストリップチームの真似をして、ストリップで一儲けしようと四苦八苦する物語です。
美男でもないし、体がいいわけでもないおじさんたちのストリップなど誰が見に来るかというと、それは妻や近所のおばさんたちという愛のあるオチ。踊りは下手だけれども、そこは役者さんたち、ズボンを一瞬ではぎ取って見せるところや、おパンツをスッと抜くところなどは妙に揃ってなかなか様になっていて、思わず「ワァ〜ォ」。おじさんたちはフル・モンティ(スッポンポン)まで脱ぎますよ。
ストリップショーの400人の観客は一般から公募してエキストラを集めたそうで、役者さんたちが実際に脱ぐというので、みんなマジで興味津々な目をしているところが笑えます。若い女の子たちの「OFF! OFF!」というかけ声も絶妙。役者さんたちもちょっとテレ気味なところがまたいいです。観客は若い女の子からおばあさんまでいます。
トム・ジョーンズの「帽子だけは脱がないで」という曲にのってストリップをするのですが、役者さんたちも観客もノリノリで、実際にとても楽しんでいることが伝わってくる映画です。この映画を観て「よ〜し、お父さんも頑張っちゃうぞ〜」と「フル・モンティごっこ」を楽しんだご家庭も多いのではないでしょうか。
>>HOME >>BACK NUMBER >>NEXT