薬物犯罪による検挙人数の推移

覚せい剤取締法違反の検挙人員は、昭和29年に5万人台を数え最初のピークを迎えたが、その後は急激に減少した。しかし、昭和45年以降再び増加に転じ、昭和59年には2万4,372人となり、2番目のピークを迎え、その後、再び減少傾向に転じた。平成元年に2万人を割った後は、平成6年まで横ばいで推移していたが、平成7年以降再び増加傾向に転じ、平成9年には2万人近くに達した。最近では、平成13年（2001年）以降、おおむね減少傾向にある（法務省「平成21年版犯罪白書」）。 国立精神・神経センター調査によると、薬物乱用については、国際比較上はなお日本は低レベルだが、大麻乱用が増えるなど悪化傾向。

• 薬物乱用の動向と国際比較 - 国立精神・神経センター調査によるグラフ。社会実情データ図録
• 医薬品の個人使用の状況 - 国立精神・神経センター調査によるグラフ。鎮痛薬、睡眠薬の使用率上昇傾向。社会実情データ図録

UNODC（国連薬物犯罪オフィス）がまとめた世界薬物報告2009によると、世界の15歳から64歳の人口中、過去12か月間に1回以上麻薬を使ったことのある人は１億7200万人から2億5000万人にものぼる。対策として死刑など厳しい刑罰を科す国がある一方、逮捕せず更正施設に入れる国もある。
All About 「麻薬を吸っても逮捕されない国って」(2009年8月19日)

• グアテマラでコカイン1700キロ押収、末端価格は18億円
• AFPBB News（2009年9月22日）
• 大麻汚染率の国際比較グラフ - 社会実情データ図録
• [用語]UNODC - ネット百科事典kotobank

• 海外旅行で覚せい剤のトラブルから身を守る - 海外旅行で薬物から身を守るために知っておくべき英語表現。All About(2009年8月9日)

オーストラリア、イギリス、フランスは死刑制度廃止国のため、それぞれ終身刑、無期刑が刑罰の最高刑。オーストラリアの終身刑は仮釈放が無い絶対的終身刑。イギリス、フランスの無期刑は仮釈放がある相対的終身刑。アメリカは州によって規定が違うため、同じ終身刑でも絶対的終身刑と相対的終身刑の両方ある。どの国も、その国の法によって公平に裁くため、外国人を特別扱いしない。
コーランで麻薬の使用が厳禁されているイスラム圏では、麻薬の所持や売買などは厳罰に処すため、最高刑を死刑にしてある国が多い。サウジアラビアはイスラム圏でも特に麻薬犯罪に厳しく、麻薬使用で終身刑、運び屋など麻薬売買に従事した者は死刑に（斬首刑又は絞首刑）。
入国審査時に記入提出する書類に、Mandatory death penalty for Drug trafficking（麻薬の密輸売買をした者は、必然的に死刑に処す）の警告文がある。ヘロイン15g以上、モルヒネ30g以上、覚せい剤250g以上などの所持・密売・密輸で死刑宣告され、恩赦が無く必ず処刑される（絞首刑）。

• シンガポールでの麻薬犯罪に関する注意喚起 - 在シンガポール日本国大使館

中国刑法では麻薬50g以上の密輸に対して「懲役15年以上、無期懲役、または死刑に処する」と規定されているため、50g以上であれば死刑の可能性があるが、覚せい剤では概ね1kg以上で死刑が適用されている（銃殺刑又は薬物注射）。薬物の影響力は個々に違うため、ヘロイン、モルヒネ、コカインなど、他の麻薬については、シンガポールなど他の国と同様に別の基準があるものと思われる。死刑の執行については、中国最高人民法院（日本の最高裁に相当）の許可が必要。

• 南アの女らに死刑・無期懲役＝違法薬物で厳罰相次ぐ−中国 - 時事通信（2010年4月9日）

日本では、業とした場合や、営利目的の輸入、売買などの場合に無期懲役の規定はあるが、実際の裁判では、概ね10年以下の懲役刑になっている。麻薬犯罪については、日本から見れば諸外国の刑罰が重いように感じられるが、逆に、全世界で見れば、日本の刑罰が軽い部類にあると言える。

• 覚せい剤取締法、麻薬特例法違反などの罪での量刑例 - まさかりの部屋

中国で薬物犯罪により邦人に死刑判決が下り、刑の執行がされ、その事実が大々的に報道されたにも関わらず、その後も薬物犯罪容疑で邦人の拘束（逮捕）が続く現状。

• 法律専門の中国人職員採用へ＝邦人検挙増に対応−日本大使館 - 時事通信（2010年4月10日）

• 覚せい剤3キロを押収＝邦人3人、死刑も−中国広東省 - 時事通信（2010年7月27日）
• 薬物犯罪容疑で3邦人拘束＝中国広東省 - 時事通信（2010年7月26日）

• 麻薬犯罪で邦人4人拘束＝瀋陽のホテルで一度に−中国 - 時事通信（2010年7月4日）

• 覚せい剤密輸で邦人拘束＝中国青島−2.5キロ所持、厳罰の可能性再び - 時事通信（2010年5月18日）

• 邦人女性が覚せい剤保管＝裁判官、検察の主張認める−マレーシア - 時事通信（2010年11月22日）

• 邦人に猶予付き死刑判決＝覚せい剤密輸−中国・瀋陽 - 時事通信（2010年11月29日）

覚せい剤事犯での未成年者検挙人数の推移

日本で青少年に流行している覚せい剤、MDMA、大麻が流行していることについて、東京都多摩小平保健所の思春期の薬物乱用防止では、薬物を比較的、簡単に入手できることが原因のひとつと指摘。また、薬物を隠語で呼ぶことで(下記、隠語リストを参照)、罪悪感をうすれさせていることも原因としている。

• 少年の補導及び保護の概況 - 警察庁

• 薬物は危険物　ドラッグの恐怖〜破滅への招待状 - 覚せい剤とマジックマッシュルームの危険性について。All About

東京都は、これまでの小・中学生、高校生を対象とした啓発活動などを、大学生や学校に通っていない少年、事業者にまで拡大。「啓発活動の拡大と充実」、「指導・取締りの強化」、「薬物問題を抱える人への支援」を３つの柱に、2012(平成24)年度までの５年間に取り組む。また地域における乱用防止活動を一層推進するため、東京都の事業や若者受けする先駆的な取り組みなどを写真や図で紹介、「薬物乱用防止講習会」や「都民の集い｣等を通じて、薬物乱用防止を訴え、薬物乱用防止対策の充実を図っていく。

• 薬物乱用のない社会づくりを目指して - 東京都

• 芸能界の薬物汚染 - 日刊スポーツ
• 芸能界「薬物汚染」の深刻｜芸能界「薬物事件」を振り返る - All About
• 薬物事件で逮捕歴のある有名人・芸能人一覧 - NAVERまとめ

• 覚せい剤の摘発件数が過去最高を記録 - 財務省(2010年2月1日)

◆覚せい剤については、航空機旅客による密輸事犯の相次ぐ摘発により、摘発件数が過去最高を記録、また、地方港・地方空港における摘発も増加
◆大麻、ＭＤＭＡ等については、摘発件数、押収量ともに減少
◆メチロン、ＴＦＭＰＰなどの近年新たに指定された麻薬の密輸事犯を相次いで摘発

• 日本人顧客に覚せい剤を売りさばくイラン人密売組織 - 覚せい剤事犯として検挙された来日イラン人の数をみると、92年にはわずか１人であったものが、ピーク時の97年には220人にまで膨れ上がった。眼光紙背（2008年5月14日）

全国約20.000人の薬物乱用防止指導員等が日常生活を通じて地域に密着した啓発活動をおこなっている。

• 薬物乱用防止五か年戦略 - 薬物乱用対策推進本部。首相官邸

• NPO法人全国薬物依存症者家族連合会 - 家族同士の支援の場として設立。
• ダルク - 覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から開放されるためのプログラムを持つ。全国にある民間の薬物依存症リハビリ施設。
• ご家族の薬物問題でお困りの方へ(PDFファイル) - 厚生労働省作成の家族に向けたパンフレット。巻末に行政の対応窓口となる全国の精神保健福祉センターや、家族会、自助グループなどの連絡先も掲載。

規制が必要な薬物は、それぞれ大麻取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法などの法律で規制されている。それぞれの法には禁止行為が定めてあり、罰則規定が設けてあるが、これらの4法以外にも、関税法、薬事法、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律（麻薬特例法）などの法律にも薬物についての規定がある。また、覚せい剤取締法第41条第2項（営利目的輸入など）や麻薬及び向精神薬取締法第64条第2項（営利目的輸入など）、麻薬特例法第5条（業として行う不法輸入など）の罪の場合は、裁判員裁判の対象。よって、これらの薬物について規定がある法律の違反行為に該当し、罪の構成要件や故意による行為など、罪に問うためのいろいろな要件を満たせば、起訴され、罪に問われ、罰を受けることになる。
規制薬物と言えども薬であるため、その薬物が必要と思われる患者に対しては、医師の処方により、医療用として供されている場合が多くある。薬物濫用による保健衛生上の危害防止などのために、それぞれの薬物に対する法に、どのような規制をするかという事を法制定の目的（趣旨）として定めてある。
覚せい剤のほか、コカイン、ヘロイン、大麻、有機溶剤などがあり、薬物乱用防止 「ダメ。ゼッタイ。」ホームページで、それぞれの知識を解説している。

• 麻薬・覚せい剤とは｜乱用薬物の種類 - 危険性などを紹介。麻薬・覚せい剤情報
• 覚せい剤と覚せい剤取締法 - All About (2009年10月27日)

• 薬物依存症の特徴・原因・症状 - 依存症の特徴や原因。All About(2010年2月23日)
• 薬物依存症の治療法 - 現在利用できる治療法。All About(2010年2月23日)
• 薬物依存の話題　「日本賞」と麻薬について - 麻薬中毒患者の生活を追ったドキュメンタリー「レンズのむこうの真実」を紹介。All About

覚せい剤など薬物の影響は決して一時的なものではない。人間の脳には、化学物質による刺激を受けることで、元に戻らなくなるほど変化してしまう部分がある。そのためやめようとしても、意志の力だけではどうにもならない。
All About「メンタルヘルス」ガイド記事「再逮捕者が続出……人が薬物依存から脱出できない理由」(2010年10月17日)

• 鼻炎薬などを原料にした覚せい剤の密造容疑で逮捕　アメリカのような風邪薬の販売規制は必要だと思いますか？ - goo ニュース畑（2010年6月21日-7月12日）
• 薬物ダメ、京大が「社会常識」の授業実施へ　大学で「社会常識」を教える必要はありますか？ - goo ニュース畑（2009年11月24日-12月15日）

• 大麻汚染