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岡本ホテル:元オーナー側 暴力団側に数億円を振り込む

 老舗温泉旅館「岡本ホテル」(静岡県熱海市)などの温泉ホテルグループを舞台にした巨額詐欺事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕されたグループの元オーナー、大東(おおひがし)正博容疑者(59)側から指定暴力団山口組の3次団体に数億円が振り込まれていたことが、捜査関係者への取材で分かった。警視庁と静岡県警などの合同捜査本部は8日、会員制温泉クラブ「岡本倶楽部(くらぶ)」の営業担当者ら7人も逮捕し、逮捕者は計10人になった。捜査本部は、大東容疑者らが元本を保証するなどと偽り、約8000人から預託金二百数十億円を集め、一部が暴力団の資金源になったとみている。

 捜査関係者によると、暴力団側への振り込み名目は「会員権募集のコミッション(手数料)」。大東容疑者は元山口組系組員で、複数の有力組長と親交があったという。

 一方、岡本倶楽部が09年9月時点で約150億円の債務超過だったことも判明。グループの会員権販売・管理会社「オー・エム・シー」(破産手続き中)が集めた預託金約190億円に対し、同社の資産評価額は約45億円に過ぎなかったという。捜査本部によると、被害者は関東地方を中心に28都道府県にまたがり、50~70代の中高年者が大半を占めているという。

毎日新聞 2011年2月8日 15時00分

 

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