静岡県熱海市にある老舗旅館を中心としたリゾートクラブ、岡本倶楽部の会員を募って保証金をだまし取ったとして、元暴力団員らが逮捕された事件で、クラブが集めたとみられる200億円以上のうち、およそ40億円が元暴力団員の個人的な飲食代や高級車の購入などに流用された疑いがあることが、警視庁への取材で分かりました。
この事件は、元暴力団員の大東正博容疑者(59)と元社長の山脇一晃容疑者(56)らが、熱海市の老舗旅館、岡本ホテルを中心としたリゾートクラブ、岡本倶楽部の会員になって保証金を出せば、宿泊券の換金などによって利益が得られるとうたって、全国の70人余りからおよそ3億円をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反の詐欺の疑いで逮捕されたものです。警視庁は8日、新たに営業担当者ら7人を逮捕し、逮捕者はあわせて10人になりました。岡本倶楽部は、おととし秋に運営会社がおよそ150億円の債務超過となって保証金を返せなくなっていましたが、その後も会員の募集を続け、去年5月までの5年間に200億円以上を集めたとみられています。警視庁によりますと、このうちおよそ40億円が、大東容疑者に貸し付けた形をとって、個人的な飲食代や高級車の購入などに流用された疑いがあることが分かったということです。さらに、使途不明金も10億円以上に上るということで、警視庁は、暴力団の資金源になっていた疑いもあるとみて捜査しています。