老舗温泉旅館「岡本ホテル」(静岡県熱海市)などのホテルグループを舞台にした巨額詐欺事件で警視庁と静岡、兵庫、福井県警の合同捜査本部は8日、会員制温泉クラブ「岡本倶楽部(くらぶ)」の営業担当者ら7人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕した。7日夜には岡本ホテルグループ元オーナーで暴力団山口組系元組員、大東(おおひがし)正博容疑者(59)らグループ幹部3人を同容疑で逮捕。捜査本部は、預託金などの名目で大東容疑者らが全国約8000人から集めた二百数十億円のうち、一部が暴力団に流れたとみて実態解明を進める。
大東容疑者ら10人の逮捕容疑は、09年9月~10年5月、横浜市の不動産賃貸業の50代の男性ら約80人からクラブの施設利用預託金などの名目で計約3億円をだまし取ったとしている。
捜査関係者らによると大東容疑者らは「預託金を出して会員になれば、全国11カ所のホテルで使用できる宿泊ポイントをプレゼントする」と宣伝。5年後には預託金を全額返済して元本を保証するうえ、未使用のポイントも一定割合で換金するなどと約束していた。被害者は関東地方を中心に28都道府県にまたがり、50~70代が大半を占めているという。
毎日新聞 2011年2月8日 11時13分(最終更新 2月8日 11時26分)