【大紀元日本2月7日】35名の国家元首が出席した世界経済フォーラム(WEF)2011年の年次総会(ダボス会議)が先月30日に閉幕した。中国のインフレ懸念、米国の高失業率、欧州の財政危機問題が今回のダボス会議の三大関心事となった。
中国政府は信用貸付の拡大に全力で対処する措置を採っておらず、住宅と商業用不動産のバブルが形成されており、インフレの抑制が難しくなっている、とニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授が、CNNの取材を通して警告した。同氏は、2008年の米国のサブプライムローンに端を発する世界金融危機を見事に予測している。
ルービニ教授の分析によると、中国経済は過熱傾向にあり、10%の経済成長を保持していると同時に、抑えきれないインフレ、過度な信用貸付、財政刺激措置、資産バブルなどの問題にも直面している。最近の金融引き締め対策に関して、ルービニ教授は「手遅れ感がある」と指摘する。この程度の対策では現在の中国の状況に十分に対応できないため、当面の最大のリスクはインフレ抑制策が機能不全に陥り、インフレの抑制が難しくなることだと述べている。
一方、中国はインフレ対策を迫られる度に、株式市場に影響を与えている。中国経済の健全なソフトランディング(軟着陸)ができなくなる懸念から、株式市場への影響は中国に止まらず、世界にまで及んでいる。そうした状況を回避するためには、持続可能な高成長を維持しながら、有効なインフレ抑制対策を打ち出すことが中国政府にとっては大きな挑戦だ、とルービニ教授は語る。
さらに、人民元の切り上げ問題も重要視すべきだとルービニ教授は主張する。このままでは、通貨戦争が起こり、最終的には貿易戦争や保護主義をもたらすという。
世界経済の復興が期待される2011年、エネルギーや食糧価格の上昇が最大の課題になるとルービニ教授は分析する。2008年当時、原油価格が1バレル148ドルまで高騰し、世界経済成長の臨界点とも言える高値がその後の世界的な経済衰退に繋がった事実から裏付けられるという。石油などの原材料の価格上昇は、日米欧や中国などの国民収入と支出にマイナス影響を及ぼすとルービニ教授は指摘した。
今回のダボス会議に出席したコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーのメンバーも同様の警告を発した。インフレと食糧価格の高騰抑制は今後中国が直面する重要な問題となると分析した。
マッキンゼー・アンド・カンパニー上海支社の統括責任者ゴードン・オール(Gordon Orr)氏は、今回の中国の食品中心のインフレ状況は消費構造上の問題であり、人々の予想以上に長引いてしまう可能性があると分析している。
その理由について、オール氏は次のように話している。「以前と比べて今日の中国人の消費構造は大きく変化しており、肉食の消費量がより多くなった。そのため、さらに多くの穀物の生産が必要となる。しかし今の食糧生産のサプライチェーンはすでに負荷が重すぎて、崩壊に瀕している状況。食糧の量の危機を解決することによって質の危機をもたらしかねない」
さらに、2011年は中国の中産階級の資産に大幅な目減りが発生するとオール氏は予測している。不動産バブルの中で、彼らは手持ちの資金を不動産購入に投入し、一旦銀行の利率や金利が引き上げられると、それによってもたらされる大幅な不動産価格の急騰が新たな資産目減りをもたらすという悪循環に陥る。
国内では住宅価格の上昇と併せてインフレ懸念の拡大、国外に対しては人民元の切り上げ問題、これら国内外に直面する問題に有効な対策で対処できるかが持続的成長を左右する。中国の経済発展は世界経済へのビジョンを中国がどう示すかにかかっており、注目を集めている。
(翻訳編集・林語凡)
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