亮子議員「調査も正々堂々」八百長問題

　大相撲の八百長問題で、民主党のスポーツ議連会長で柔道五輪金メダリストの谷亮子参院議員（３５）が７日、特別調査委員会の調査に対する力士の誠実な対応を求めた。調査には強制力がなく、協力しない力士が出てくる恐れもあるが「調査も正々堂々です」とした。柔道に“無気力柔道”はあるかとの質問には「ないですね。相手に失礼になる」と即答。日本の伝統武道に宿る、相手を尊重し、正々堂々ぶつかる姿勢の重要さを訴えた。

　谷氏が力士らに「調査にも正々堂々」を求めた。谷氏はこれまで「『スポーツは正々堂々』が世界共通。今回の事態は好ましくない」とした上で、協会の存続問題については「まずきちんと調査する。法人格の話は今する話ではない」と冷静な議論を求めていた。この日は国会内で開催された民主党文部科学部門会議に参加。会議後、「相撲は真正面からぶつかる正々堂々のイメージがある。調査にも、その基本姿勢で臨んでほしい。ファンを悲しませることはしてはいけない」と話した。

　警視庁の捜査とは違い、特別調査委の調査には強制力はない。故意か事故かは不明だが「携帯が壊れた」と説明する力士もいて、調査は難航しているという。全容解明には、力士側からの誠実な協力が不可欠だ。谷氏は柔道家だが、柔道も相撲も日本の伝統武道だ。谷氏は「柔道に“無気力柔道”はあるか」との質問に「ないですね。相手に失礼になる」と即答。相手と１対１で向き合う際には「相手に失礼がないよう、相手を尊重して、尊重して、向き合う。そういう気持ちがなければならない」とし、「まず、そこだと思います」と、真摯（しんし）な姿勢の大切さを強調した。

　柔道家としての谷氏にも多くのファンがいる。現役時代、ファンに対する姿勢として「けがをしていても、どんなことがあっても言い訳をしない。正々堂々、その時の自分の最高の試合をして、五輪なら金メダルを取りにいく」ことを大切にしていたという。選手がファンの期待に応えて頑張り、スポーツが盛り上がれば「スポーツでも国の力、国力につながっていくと思う」とも語った。特に相撲は国技だ。谷氏は「（力士には）ファンがいることをまず心に置いて、真摯に対応してほしい」と、重ねて求めた。

　この日の部門会議では、日本相撲協会の村山弘義副理事長、二所ノ関正裕広報部長、出羽海義和事業部長、文部科学省の笠浩史政務官らから調査の現状報告を受けた。本場所が無期限中止になったとの報告について谷氏は、「今はきちんと対応すべき時だが、相撲ファンの気持ちを思うと残念。早く相撲界に元気を取り戻してほしい」とした。【清水優】

　［2011年2月8日8時39分　紙面から］