30年前「勝ち、譲る」と八百長持ち掛け
大相撲の八百長問題で、約30年前は付け人が力士に代わって「勝ち、譲る」と八百長を持ち掛けていたことが8日、東海地方出身の元力士の証言で分かった。
元力士が付け人を務めていた幕内力士は、ある場所の際、あと1勝で「敢闘賞」を受賞する勢いだった。ところが対戦相手の付け人が取組直前に支度部屋を訪れ、こう切り出した。「勝ちを譲ってやると言っている」。幕内力士がやんわり断ると、この付け人は不機嫌な様子で「変わった人だなあ」と立ち去った。
幕内力士は八百長を毛嫌いし、元力士には「持ち掛けてくる付け人は部屋に入れるな」と厳命した。こうした八百長の誘いは幾度か続いた。
十両と幕下では待遇が大きく異なるため、十両の昇格、降格をめぐり八百長が横行していたという。一番の相場は当時、20万~50万円。幕内の優勝や受賞にかかわる大一番となると、当然金額は上がった。現金のやりとりだけでなく、巡業先の宿泊代や飲食代を肩代わりする場合もあった。
「一門のトップが綱を取るとなれば、一門の者が総出で動いた。暗黙の了解だった。他の部屋とはトイレや支度部屋で、付け人や床山(まげ結い)がやりとりした」
元力士は八百長を突っぱねた目上を見習い、厳しい稽古に耐え、相撲道を歩んだ。「幕内力士になれば、高い給料がもらえる。今の力士は就職感覚で入門するから、角界に長居しようとする。それが八百長の温床。手軽なゲーム感覚で星のやりとりをしているようでならない」と心配した。
[2011年2月8日8時45分]
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