ミニゲーム前、磯村(左)にビブスを投げ渡すストイコビッチ監督=大分県別府市で(伊藤遼撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(45)は別府キャンプ5日目の7日、アーセナルのベンゲル監督から契約の切れる2014年以降の後継者に指名されたとの報道について「光栄だが、将来のことは分からない」と話した。監督として恩師から高い評価を受けても「もっと経験を積まなければならないし、まだ重要なことが残っている」とグランパスでの指揮に集中する。
ビッグクラブの後継者に指名されるほどの評価を受けて、ストイコビッチ監督は穏やかに話した。
「ベンゲル監督とはずっといい関係が続いている。“ニューベンゲル”と言われるのはうれしいが、将来は将来。私は落ち着いている」
現実的な話とは次元が違うことを強調した。1995、96年にグランパスを率いた名将のもとを訪ねたのは2008年の監督就任直前。指導哲学や、サッカーの価値観が同じことを確かめる時間になった。
「ベンゲル監督は、私にとってのいいサンプルであり、15年間、アーセナルというチームは理想的なスタイルだ」
ただし4年先は、サッカー界にとってはるか遠い話で、何の保証もない。
「将来、何が起こるか全くわからない。私はもっと経験を積まなければならないし、まだ重要な仕事が残っている」。グランパスの開幕に向けて、集中力がそがれることはなかった。
この日の練習では、短パン姿になって、際どいパスを出して守備練習の相手となった。4、5年先の監督像には「私はずっと、こうしてプレーしながら指導するつもりだ。太りたくない」
15年には50歳。それでも自分で手本を見せながら教えるスタイルにこだわる。現役時代からかなり横幅が広がっているストイコビッチ監督だが、貫禄をつける程度に押しとどめて、世界の技をチームづくりに役立てる。
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