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きょうのコラム「時鐘」 2011年2月8日
平成の大合併以来、新しい自治体が各地に誕生した。その命名のセンスに首を傾げたくなるものも少なくなかった
東京都の西東京市、愛媛県の四国中央市、山梨県の南アルプス市などがその一例だ。最近話題の「大阪都」や「中京都」は、平成の合併と別次元の話だが、なぜか「西東京」や「四国中央」を連想させる 東京都の警察を警視庁と呼ぶ。他の道府県本部とは別格で、政府の組織を守る首都警察でもある。戦後の一時期、大阪にも「大阪市警視庁」があった。占領軍(GHQ)の方針で東京と大阪だけに置かれた呼称だ。今でも大阪警視庁の昔を誇る浪速っ子がいる 西の都を自任してきた大阪府や列島中央の名古屋が「都」にこだわるのは分からないでもない。東京なにするものぞの心構えと、新しい大都市の在り方を模索する力を感じるからだが、その気概を示すのに「都」の一文字にこだわるから、どこかすっきりしない 「都」と言えず「州」と言う新潟になるとさらに複雑であり、「都」や「州」を叫ぶ威勢のいい運動が、東京コンプレックスの裏返しのようにも見えてしまうのだ。 |