アコムは常識的な会社だから!?
週末金曜日。
午前中、県内の某地裁まで顧客Sさんと
アコムの過払い金返還訴訟のため出向く。
この件は金額が140万円を超えており、
こちらに代理権がないため、本人訴訟支援
という形でSさんをサポートすることになる。
本日は2回目の期日。
前回でSさんも慣れたのか、今日はとても
落ち着いている様子。
Sさん『何とか判決を出してもらう方向で
要望しますので。』
わかば『そうですね、この件は特段争点も
ありませんから、金額に開きがあり、和解に
至らないことを強く主張してください』
そして開廷。
小さな法廷なので、Sさんにすぐに助言が
できる位置に座る。
裁判官『えー、本日は2回目の期日ですね。
アコムからは和解間近なので、再度期日を
入れて欲しいと上申書が出ていますね。
進展はいかがですか?』
Sさん『和解の話はしていますが、金額に
隔たりがあるので、到底和解することは
できません。』
裁判官『そうですか、では再度期日を入れる
ので、もう一度よく話し合ってください』
Sさん『次回までに和解できなければ
判決を出して頂きたいのですが』
裁判官『判決を出してもアコムが不服
申立すれば、さらに訴訟が続き長引き
ますよ。
それよりも話し合いで和解した方が迅速
にお金が戻ってくるのではないですか?』
Sさん『もし次回までに和解にならなければ
また期日が延びるのですか?』
裁判官『アコムは金融業者の中では
比較的常識的な会社だと思いますよ。
次回までには和解になるのではないですか?』
Sさん『しかし・・ (こちらを伺うSさん)』
ここでたまらずSさんに助け舟を出す。
わかば『本件は特段争点もないですし、
本人も早期解決を希望していますので、
次回までに和解が成立しない場合は
終結を希望します』
裁判官『そうはいってもね、今までアコムに
対し判決を出したケースはないんですよ』
わかば『すべて和解になっているという
ことでしょうか?』
裁判官『今のところそうなりますね』
わかば『では本件についても判決は
出さないということでしょうか?』
裁判官『そういうことではありませんが、
もう何回かは期日を入れる方向で
考えています。』
これ以上何か言うと、心証が悪くなると
いけないので、次回期日を入れてもらい、
Sさんと法廷を後にした。
閉廷後、ロビーでSさんと今後の方向性に
ついて協議した。
Sさんとしては減額に応じるつもりはないため、
徹底的に争う姿勢だ。
Sさん『こうなったら何度でも足を運びますよ。
こっちだって苦しい中ずっと払い続けてきたんですから、
一円だって減額するつもりはないです。
先生には迷惑かけちゃいますが、大丈夫でしょうか?』
わかば『迷惑なんてとんでもないです。
こちらも何度だって同行しますから、一緒に戦いましょう!』
本来、このような争点のない案件であれば、2回から3回目の
期日で終結する。
しかし、中には判決を出したがらない裁判官もいるため、
そういう方に当たると5回6回と長引く可能性がある。
和解まで本当にあと一歩という状況ならともかく、
今回のような争点もなく、双方の希望金額に大きく隔たりの
あるケースであれば、迅速に終結してもらいたいものである。
それにしても、裁判官の「アコムは常識的な会社だから
和解になるでしょう」という発言には驚いた。
本当に常識ある会社なら、そもそも利息制限法を
超える利率での貸付はしないと思うのだが・・。