八百長の発覚を受け、日本相撲協会が3月13日に始まる予定だった春場所(大阪市)を中止することを決めた。終戦直後に国技館が修復工事中だった時をのぞけば、本場所の中止は前例がない。
協会が八百長問題をいかに深刻に受け止めているかの表れではある。入場料やNHKの放映権料など十数億円の減収にもなるという。
しかし、八百長は相撲協会が公益法人の資格を返上するに足るほどの不祥事である。春場所を中止するくらいは当然だ。問題は、角界が今後どう変わるのか、である。
春場所中止は免罪符にならない。大相撲が生き延びるためには、さまざまな課題を白日の下にさらし、自らの骨を削るような厳しい作業が必要になる。一場所中止したくらいではとても時間が足りないだろう。
今回の八百長で名前が明らかになった力士、親方は14人。そのうち3人が関与を認めている。しかし、協会が設置した特別調査委員会の作業はまだ始まったばかりだ。
14人それぞれのシロクロを確定するだけでも大変な作業だが、八百長の真相究明とはそれだけではない。組織的な関与はなかったか、過去はどうだったのか、などの疑問は当然解決されねばならない。
相撲協会の放駒理事長は今回、「相撲の歴史における最大の汚点」だと言って謝罪した。確かに八百長は相撲そのものを愚弄した行為だ。
しかし、最近の相撲界は、暴力事件や大麻汚染、野球賭博など不祥事まみれである。八百長を離れても公益法人としての相撲協会、国技としての大相撲は存亡の危機に直面していたのである。
そうした指摘を受けながら、その場限りの対応しかしてこなかった危機意識の低さが、事態を一層深刻にしたともいえる。その意味では、身内に甘い協会の古い体質、おろそかだった力士教育などを引っくるめ、相撲界の変化が外の目にも見えなければ、真の改革とはいえない。
今、相撲協会は公益法人の認可を取り消されても仕方ない立場にあり、政府内からもそうした意見が出ている。協会自ら法人資格を捨て、一から出直すという選択肢はないのか。そんな疑問もぬぐえない。
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