口蹄疫:殺処分した家畜の埋却地、春に崩壊も

 昨年11月29日の口蹄(こうてい)疫発生から70日目となる6日現在で殺処分された家畜が310万頭に達し、全国の埋却地が4000カ所を超えた中、「埋却地の場所選びなどにミスがあり、埋却地が崩壊・流失する可能性がある」という調査結果が発表された。

 この「2次環境災害」が懸念されるという政府の調査結果は、慶尚北道地域の埋却地61カ所に対するものだが、調査対象を今後、全国に拡大すれば、こうした恐れがある地域は大幅に増えるものとみられる。

 6日に環境部(省に相当)・慶尚北道などが明らかにしたところによると、口蹄疫が初めて発生した慶尚北道内の家畜埋却地750カ所(1月10日現在)を対象に、政府が部処(省庁)合同で埋却地にふさわしいかどうかなどを詳しく調査した結果、1次危険判断埋却地90カ所のうち、61カ所(68%)に問題があり、補強工事が必要だという結論に達した。

 調査の結果、「慶尚北道安東市一直面菊谷里山156番地など45カ所は埋却地崩壊・流失の危険が、16カ所は流失の危険があることが分かった」と政府関係者が明らかにした。この関係者は「場合によっては埋却地自体を別の場所に移転しなければならない状況になるかもしれない」としている。

 こうした事態になったのは「各地方自治体や防疫当局が口蹄疫ウイルスの拡大阻止にだけ力を入れ、山の傾斜地・谷・河川など、処分した家畜を埋めてはならない場所に埋却地を造ったため」と政府は分析している。このため、(1)雪や氷が溶ける春に埋却地の土が突然崩れ落ちる(2)大雨が降った場合、埋却地が崩壊・流失する-という最悪の事故が発生する危険性が高い。

 政府関係者は「埋却地崩壊などによる2次汚染を防ぐには、埋却地周辺の地下にコンクリート擁壁を数メートルの深さで立てるか、岩盤まで土を掘り、特殊な材質の遮水壁(浸出水が埋却地の外に流出しないよう立てる壁)を設置するなどの工事が必要だ。財源の調達方法が決まり次第、急いで補完工事を始める」と語った。政府は、今月中に全国各地のほかの埋却地に対しても、該当の地方自治体と共に立地が適切だったかどうかなどを調査する方針だ。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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