小沢に管に仙谷「そんなに嫌いなら、別れたら」民主党政権 「腐ったみかんの方程式」
罵り合い、憎しみ合い、粛清に血道をあげる

2011年02月07日(月)
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 与謝野氏の入閣には、財政再建論者の大手マスコミ幹部ら、複数の人間の推薦があったと言われる。つまり首相にしてみれば、「やれって言われたからやったのに」という、驚くべきことに被害者の気分なのだ。

 しかし、組閣まで「オレのせいじゃない」と言い訳する総理など、見たことも聞いたこともない。菅首相の"保身術"は、もはや常軌を逸している。

「仙谷様」の原稿を棒読み

 トップがこれでは、当然ながら政権内のモラルは崩壊することになる。箱の中のいちばん大きなみかんが腐っていたら、そのアオカビはあっという間に箱の中に蔓延し、最終的にすべてのみかんが腐り果てる。「腐ったみかんの方程式」だ。

 1月24日、菅首相は、任期途中にもかかわらず、経済産業省出身の新原浩朗秘書官を、同じ経産省出身の貞森恵祐氏と交代させた。

 任期中の秘書官交代は極めて異例。福山哲郎官房副長官は、「TPP(環太平洋経済連携協定)に取り組むため」などと説明したが、実はその真相は「官邸内の内ゲバ」だという。

「新原氏は官邸内で、菅首相ベッタリの側近として有名でした。それが、同じ側近の福山氏や、寺田学首相補佐官らからすると、目障りだった。そのため、福山氏らによって新原氏が官邸から追い出されたのが真相と言われています」(全国紙政治部官邸詰記者)

 右を見ても左を見ても、保身と足の引っ張りあい。民主党の「黄門様」こと渡部恒三・元衆院副議長も、政権の現状を評してこうこぼしている。

「日本一の悪人(小沢氏)、日本一のバカ(鳩山由紀夫前首相)、日本一のズルい奴(菅首相)・・・」

 そんな中、自滅への道をひた走る菅首相を横目に、せっせと足元を固めているのは、仙谷代表代行だ。

 24日の施政方針演説で、首相は約1万字の原稿を棒読みした。施政方針演説は、通常、官房副長官や内閣官房参事官ら官邸のスタッフが、首相の意を受けて作る。だが、今回の原稿は、実は"仙谷原稿"だったという。

「事前に、党から官邸に対して『(施政方針演説の)原案をチェックしたいので、持ってきてくれ』と要請がありました。スタッフの一人は、『これじゃ鳩山前首相の時と同じだ』と、ぶつぶつ文句を言っていましたよ」(官邸関係者)

 鳩山前首相の原稿は、当時の小沢幹事長がチェックしていた。官邸スタッフにしてみれば、「また今年も」とうんざりしたわけだ。

「それで、戻ってきた原稿を見ると、仙谷さんの修正が入っていました。菅さんは原稿をただ読んだだけなので、仙谷さんの意向が反映された訂正原稿を読まされたことにも、気付いていないでしょうね」(同)

 絵に描いたような「裸の王様」である。それなのに菅首相は、煙たい存在だった仙谷氏を官邸から追い払ったと思い込み、「オレは仙谷がいなくてもやっていけるんだ!」と、根拠のない自信をますます深めているというから、こうなると笑い話にもならない。

 仙谷氏は党の代表代行に就任した後、党本部の幹事長室を占拠して、岡田氏を追い出してしまった。そして、国会の院内には、国会対策委員長室のすぐ近くに、代表代行室を設置。官邸では、枝野幸男官房長官から、「いつでも長官室においでを」と、"自由行動"のお墨付きを得ているという。

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