「仙谷氏にしても、'60年代に彼が属していた集団は、警察の監視対象にすらならない小さなものでしたが、彼は同志から『自分たちが捕まったら弁護してくれ』と言われ弁護士になった。その同志たちは実際に警察に逮捕され、その後の人生が完全に狂ってしまった。取り締まった側の警察官も、重傷を負っていまだ後遺症に苦しんでいる人たちがいる。でも仙谷氏は、そんな彼らに対し、まるで無関心のようです」(同)
岡田がここで寝返った
身内がいくら出血しようとお構いなし、ここ数ヵ月、ひたすら「小沢殺し」に邁進してきた菅首相と仙谷氏。ターゲットの小沢氏は強制起訴されることで、離党勧告、あるいは議員辞職勧告を突きつけられる可能性もあり、いまや生き埋めに等しい状態に見える。
ところが、首相らがせっせと小沢氏に被せていた土を、「やり過ぎではないか」と払いのける人物がいる。岡田克也幹事長だ。小沢亡き後の新生民主党を牛耳る「新4人組」と持て囃されてはいたが、岡田氏はその中で疎まれ、浮いた存在だ。
「次に埋められるのは自分だ」。あまりに極端な"総括"ぶりに、岡田氏は"菅・仙谷ベース"を抜け出し、山を降りることに決めた。
後に詳しく触れるが、そんな岡田氏の「寝返り」に、菅首相は、まったく気付いていない。1月21日、首相官邸で、菅首相と大手マスコミの論説委員や解説委員らとの懇談会が行われた。
だがそこに出席した人々は、首相の不可解な言動に唖然としたという。
「小沢氏の政倫審出席もままならず、菅首相はいまだ、何一つ指導力を発揮していません。にもかかわらず、『小沢問題は決着がついた』と言い放ち、成立が危ぶまれている予算案についても、『荷崩れ(審議が進まず身動きが取れない状態)は気にしない。(成立の)自信はある』と、根拠もなく断言する。菅首相は、『自分は世論に支持されている。間違いない』と、信じきっているようでした。仮想空間に生きる総理—そんな言葉が胸をよぎりました」(懇談出席者の一人)
一部には精神状態を危ぶむ声が上がるほど、闇雲に元気な菅首相。これは、冒頭で佐々氏が指摘したエピソードが示す通り、「なんでも他人に押し付けて逃げる性格」だからである。
1月24日から開幕した通常国会は、のっけから大荒れの気配が漂った。たちあがれ日本を離脱し、経済財政相として入閣した与謝野馨氏が登壇すると、野党のみならず与党からも、「変節漢!」「議員を辞めろ!」などとヤジが飛び、不穏な空気が議場に充満した。
与謝野氏を一本釣りしたのは、「三顧の礼で迎えた」とまで言い切った首相自身だ。ところが、党の内外から非難の声が上がっていると聞いた首相は、
「だって、オレが決めたんじゃないんだけどな」
と、耳を疑う愚痴をこぼしたという。
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