[356]土曜漫画 他
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投稿者:川本耕次 投稿日:2006/01/05(Thu) 05:10 |
土曜漫画についての覚え書き
●Do企画の名前で多くの自販機本を作っているが、正式な社名は「土曜漫画新社」という。もともと昭和40年代に一般書店売りの実話誌「土曜漫画」で人気のあった出版社で、タイトルは「漫画」だが内容的には漫画とゴシップ(実話)にヌードグラビアというスタイルだったらしい。この時代の実話というのは今と違ってエロな偽告白体験手記の事を言う。土曜漫画がつぶれて書店売り口座をなくしたため、自販機業界に流れてきた。 ●自販機本を作りはじめたのはアリスやエルシーに比べると遅い。半分モノクロの本が発見できないので、1978年以降だろう。もともとちゃんとした出版社だったので、作りは丁寧で完成度が高い。ヌードグラビアが売り物の実話誌を作っていたので、ノウハウや人脈もあったのだろう。もっともその分、破天荒な面白味には欠けるかも知れない。 ●1981年以降、カメラマンの石垣章との結びつきを強め、「奇妙な果実」という豪華本を25周年記念として出版している。これは1979年に作られた「淫花」というアリス・エルシー・土漫共同編集の豪華写真集と同じ体裁であり、やはり同じように自販機本の自社広告で売られたものと思われる。 ●グラフ誌はきっちりと台本を作ってから撮っているように見うけられる。ストーリー物に登場する男役も役者を使っているらしく、編集者や社長が登場する他社とは異なる。 |
[357]Re:土曜漫画 他 投稿者:川本耕次 投稿日:2006/01/05(Thu) 05:37 |
エルシー企画についての覚え書き
●明石賢生という人が社長だった。発足は1977年くらいだと思われる。1980年にはアリス出版と合併して、ブランドは残るが実体は消滅する。もっともまたすぐ1980年8月にはアリスから分裂して「群雄社」という会社になる。群雄社はエルシー企画そのものではなく、アリス出版からの横滑り組も含む。 ●社長の明石氏は、元・学生運動家。絨毯バー経営などを経て「エドプロで営業をやっていた」との本人の弁あり。エドプロの営業というとビニ本屋廻りだろうから、もともとそちら方面にルートを持っていたと思われる。親分肌の人で、映画屋さんとかサブカル関係者とのつきあいも多かった。自販機時代にはJAMというサブカル雑誌のスポンサーになり、山口百恵のゴミ箱漁りで有名になった。 ●グラフ誌では、モデル一人でほとんどが戸外シーンという低予算の撮影が多い。倉庫とか映画館とか飲み屋とか、とんでもない場所で撮影しているのも特徴。 ●社カメで岡克己という人がいた。少なくとも1979年以降はほとんどこの人が撮っているはずだ。大型ストロボでなくナショPという安価なグリップストロボを二灯、じょうずに使いこなして仕事をする人だった。ストロボメーターも使ってなかった。ホテル撮りが少ないのは、そういった諸事情も絡んでのことだろう。 ●奥付がサンケエビルになっているものは、ブランド名としてはエルシー企画でも、実際には合併後なのでアリス系スタッフが作っているケースも多い。そのため分類としてはアリス系にしてある。 |
[358]Re:土曜漫画 他 投稿者:沼風 投稿日:2006/01/05(Thu) 14:37 |
エルシー企画で印象に残っている本は「女子高生絵日記」です。77年秋の刊行で、処女の女子高生が公園や歌舞伎町裏の連れ込み旅館で見知らぬ男とHする妄想にふけるという、アリス出版の「不純異性交遊」みたいなストーリーです。モデルの女の子がかなり若くてイモ臭く、カラミも慣れない感じで女子高生というリアリティが結構出ていました。
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[359]Re:土曜漫画 他 投稿者:川本耕次 投稿日:2006/01/05(Thu) 14:44 |
kukiについての覚え書き
●現在の株式会社九鬼の創立は1977年にさかのぼる。社長の中川氏はもともと映画を目指していたが、「10年助監督やっても食えない友人」を見て映画を断念。アリス出版の制作を手伝うようになる。「天井桟敷の文芸部に4ヶ月だけ在籍した」との事で、この人も天井桟敷人脈。確認されている限りでは「平和出版」時代の「海女」という作品に既にKUKIの名前が見られる。豊ビル時代にはLANDA.SSの名で多数の制作にかかわっている。 ●豊ビル時代の途中からアリスの下請け制作ではなく、東京出版から直接うけて出版をはじめる。看板雑誌のSISTERがたぶん1978年の秋くらいの創刊なので、LANDA.GR名義のグラフ誌もそれくらいからだろう。モノクロ半分の本が存在しないことからもそれが証明される。 ●YELLOW CABというのはKUKIが抱えていたカメラマン集団。藤田晋(藤田晋吉)をはじめとして数名が確認されている。kukiが関係する本の多くが、この集団の手によるもの。また彼らはサン出版の「美少女シリーズ」にもかかわっているし、おいらの勘ではダミーXOの「女子高生・淫花」もそうじゃないかと思う。YELLOW CABは版元に縛られずにあちこち営業していたのだろう。 ●KUKIは比較的早い時期からビニ本に乗りだしている。パンツが透けてない本があったりするので1979年あたりか? SISTERのネタを流用したセーラー物や、カセット付き本などが初期作品としてあげられる。真偽のほどは明らかではないが、寺山久美のカセット本があり、彼女の肉声が聞ける。 ●ビニ本では「マン拓」や「フィストファック」でヒットを飛ばした。その後ビデオに進出して急成長、ストリーミング配信なども手掛け、今では日本でも最大のAVメーカーの一つとなっている。 |
[361]Re:土曜漫画 他 投稿者:川本耕次 投稿日:2006/01/05(Thu) 17:31 |
エルシーは意外にセーラー物が良いですね。なんか生臭くって。 |