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地域医療再生基金、交付要件を決定- 厚労省

　厚生労働省はこのほど、今年度の補正予算で拡充された地域医療再生基金の交付要件を決め、都道府県知事あてに医政局長通知を発出した。通知では、申請額が80億円を超える場合は病院の統合・再編が必要などとしている。また、地域医療再生計画に関する必要書類の厚労省医政局への提出期限は、5月16日に決まった。

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　今年度補正予算で2100億円が充てられた地域医療再生基金の拡充では、全国の三次医療圏に対し、基準額として15億円（計780億円）を一律交付する。2100億円から基準額を差し引いた1320億円については、各地の地域医療再生計画の内容に応じて、加算して交付することが決まっている。

　今回の通知では、基準額の交付要件と、基準額を超える交付を申請する際の要件が定められた。基準額の交付要件では、▽医療関係団体や住民など、幅広く地域の関係者の意見を募り、計画策定に反映させる。計画の達成状況の評価を行う際にも、同様に意見を聴取する▽急性期から亜急性期、回復期、維持期、在宅へと連なる切れ目ない医療提供体制を実現する▽地域連携クリティカルパスの活用・推進を目的とした関係院長会議を設けるなど、地域内の連携を強化するための仕組みを講じる▽施設・設備整備だけでなく、医師などの確保や人材育成にも基金を活用する―などが示された。

　15億円を超える金額の交付を申請する場合は、基準額の交付要件に加え、▽基金の整備対象となる医療機関では、医師事務作業補助員を確保するなどして医師の負担軽減措置も実施する▽基金の整備対象となる医療機関の間で、診療情報や臨床評価などの情報を収集・分析し、共有する体制を整備する―などの要件を満たさなければならない。

　さらに、50億円を超える交付申請の場合、こうした要件をすべて満たした上で、申請した計画によって2億円以上の基金が交付される医療機関がある場合には、原則として、その医療機関全体で10％以上の病床削減を行わなければならない。ただ、該当する医療機関が病床数過剰ではない二次医療圏にある場合、削減する病床は5％以上でよいことも付記されている。さらに80億円を超える申請の場合は、こうした要件をすべて満たした上で、病院の統合・再編を行うことが義務付けられている。交付上限は120億円となっている。