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信州・取材前線:「出会い系」被害(その2止) 未成年の利用 /長野

 ◇凶悪犯罪の巻き添え懸念 「会おうよ」誘われ、無料ゲームから対面

 未成年者の場合、料金詐取にも増して危険な児童買春、児童ポルノなどの犯罪に巻き込まれる恐れが指摘されている。県警少年課によると、未成年に悪影響を与える児童買春などの「福祉犯」で、非出会い系サイトがきっかけになった県内の事件は、昨年1年間に12件。一方、出会い系は3件だった。内訳の統計を取り始めた08年は非出会い系8件と出会い系14件、09年は1件と7件だった。

 昨年、児童買春の被害者として同課が認知したのは5人。そのうち出会い系を利用していたのは1人だけで、4人は非出会い系などだった。

 非出会い系も、利用者同士がメッセージを交換するなど連絡を取ることができる。出会い系の規制強化につれて、非出会い系が犯罪の舞台になるケースが増加。09年、全国で被害に遭った18歳未満は前年比4割も増えた。

 昨年7月、東京都府中市の男性(26)が児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された事件も、携帯電話の無料ゲームサイトで「会おうよ」とメッセージを交換したのがきっかけだった。男性は中信地方の中学3年の少女(当時14歳)に松本市のホテルで児童買春し、罰金40万円の略式命令を受けた。

 居場所に関係なく連絡が取れるインターネットの特性で、犯罪は広域化しやすい。同課は「子供は『出会い系じゃないから』と警戒せず、知らない人と安易に会う危険にも認識が薄い」と指摘する。

 未成年が検挙された例もある。上田署や同課は4日までに、出会い系サイトで知り合った男性を互いに紹介し合い、売春をあっせんしたとして、長野市の会社員(17)と店員(18)を売春防止法違反(周旋)容疑で長野地検上田支部に書類送検した。送検容疑は昨年6月、同市内で30代男性と20代男性を相手の少女に紹介し、互いにみだらな行為をさせたとしている。同課では「出会い系をアルバイト感覚で利用する子もいるが、より凶悪な事件に巻き込まれる恐れもある」と懸念する。

 県警は、携帯から出会い系が見られなくなる「フィルタリング機能」の普及・強化を目指し、県教委を通じて保護者や携帯販売店に要請している。

毎日新聞 2011年2月5日 地方版

 
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