佑　吠えた！！　キャンプ最多８８球

　日本ハムの斎藤佑樹投手（２２）＝早大＝が５日、沖縄・名護キャンプ２度目のブルペン投球で“シャウト投法”を見せた。斎藤は時折、声を出しながら熱投。プロ入り最多の８８球を投げ込んだ。３度目のブルペンに入ったエースダルビッシュ有投手（２４）も順調な仕上がりを披露。キャンプ初日から続く“佑いじり”も健在だった。

　王子が熱くなっていた。８０球を超えたころだ。リリースと同時に「ヨシッ」と声が漏れ始めた。クールな斎藤が戦う男の表情に変わっていた。２度目のブルペンで今キャンプ最多、梨田監督の背番号と同じ８８球を投げきった。

　前回は投げなかったフォークも試投。初めてセットポジションも取り入れた。力の入れ具合こそ「７、８割」に抑えたが、完全に実戦モード。“雄たけび”の解禁について「試合でも声が出ることはありますね。一度ぐらいは（多めに）投げたいと思っていましたし」と涼しい顔。指揮官も「この間はおとなしい斎藤だったけど、今日は声がでていたね。実戦でマウンドに上がればもっと出るんじゃないか」と、気合の“シャウト投法”を歓迎した。

　燃えたのには理由があった。エース、ダルビッシュの存在だ。ダルが投げる時間を見計らい、こっそりとブルペンに入り込んだ。捕手の後ろに立ち、エースの投球を目に焼き付けた。「スゴイです…。全部低めにコントロールされていた」。見学したのはわずか２、３球ほどだったが、ダルビッシュの剛球が、斎藤の心に火を付けたのは間違いない。７日にもう一度ブルペン入りした後、１０日にフリー打撃登板を予定。１３日にはデビュー戦の韓国・サムスン戦が控える。「実戦が近くなってくると、より自分に厳しくしていこうと思う。ちょっと甘い球が行ってもヨシとはしない」と斎藤。第２クールに入っていよいよエンジンがかかってきた。　（臼杵秀之）