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【格闘技】

奪冠ならず 名城完敗

2011年2月6日 紙面から

◇WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ

 WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチは5日、大阪府立体育会館で行われ、挑戦者で同級7位の名城信男(29)=六島=が、王者トマス・ロハス(30)=メキシコ=に0−3の判定負け。王座奪取はならなかった。先月12日に第1子となる長女・柚希(ゆずき)ちゃんが誕生。これまでWBA王座を2度獲得している新米パパは、まな娘に3本目のベルトをプレゼントすることはできなかった。試合後、採点に不服の陣営は、WBCに提訴することを明かした。

 試合終了のゴングと同時に名城とロハスがそろって手を挙げた。判定0−3。名城にとっては思いがけない採点だったようだ。「最後は相手が逃げ腰だったし、ポイントはもっと追い上げることができたと思う。自分なりにやった気はする」。

 12ラウンドをフルに戦い、顔面は傷だらけ。身長で8センチ、リーチで12センチ上回る王者の懐に入れない。中盤以降、気迫を前面に出し、前進するものの、パンチは単発に終わった。実際は足を使う王者にさばかれる完敗に映った。

 先月12日に長女が誕生。名城は決断をする。家族との別居生活だった。夜泣きなどの育児で減量、調整が遅れてはならない。試合に集中するため、自宅から5キロ離れたワンルームマンションを借りて一人暮らし。すべては王者に返り咲くため−。「お父ちゃん頑張ってくるで」。名城はまな娘に、そう語りかけ試合に向かった。どうしても落とせない一戦だった。

 試合後、枝川会長は採点に怒りを爆発。「プロのジャッジやから、ブロックしたのをちゃんと見なあかん。WBCに提訴する」。隣で聞いていた名城は寂しげにつぶやいた。「最近はジャブや軽いパンチでも(採点に)とる傾向にある。自分のスタイルでは厳しいのかも…」

 持てる力はすべて出した。それでも勝てなかった。会見が終わっても名城はしばらく座ったままだった。

  (森合正範)

 

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