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【大相撲】

全676力士を調査!! 春場所、年内地方巡業は中止決定

2011年2月7日 紙面から

大相撲春場所の中止を発表し、頭を下げる(左から)日本相撲協会の出羽海理事、放駒理事長、村山副理事長、二所ノ関理事=両国国技館で(久野功撮影)

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 全力士を調べ尽くすまで、土俵には上がらせん−。八百長問題に揺れる日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で臨時理事会などを開き、春場所中止を正式に決めた。本場所の中止は1946年夏場所以来、65年ぶり2度目。不祥事による中止は史上初。その後の評議員会を経て記者会見した放駒理事長は、一連の騒動を陳謝するとともに、横綱白鵬をはじめとする全676力士の調査を完了するまで本場所を開催しない決意を表した。 

 記者会見に臨んだ放駒理事長は、立ち上がると深々と頭を下げた。「本当に申し訳ございませんでした」。午前11時からの理事会で春場所中止を決断した同理事長は、「長きにわたった歴史に最大の汚点を残した」と険しい表情で述べた。

 謝罪の気持ちは行動で示すしかない。それが幕下以下の力士を含む全676人を対象にした徹底調査だ。

 八百長問題が表に出た2日に発足した特別調査委員会は、十両以上の全関取を調査対象に挙げていた。しかし、この日になって放駒理事長は「名前の挙がっている人たちについては今すぐにやっております。そして調査の対象というのは全力士ということになっております」と話し、関取だけではなく全力士なのか? と再度問われると「うん。一応全力士ということになっております」と横綱から序ノ口までを調査すると明言した。確固たる決意の表れ。「一人でも故意による無気力相撲の疑いをかけられている力士が存在する限りは、一生懸命やっている力士たちも同じ目線で見られるから」と言う。

 膨大な人数だけに期限は設けていない。「調査結果が出て、それに基づいて事実が判明すれば処分する。それもキチッと済ませないと終わりにならない」。あらためて無期限で調査を行っていく構えだ。

 この日の理事会でもその方針で合意した。5月の夏場所が開催できるかどうか判断するタイムリミットを、ある理事は「4月の上旬」と理事会の中で決まったことを明かし、タイムリミットまでに「調査で白黒つかない限り、5月場所も断念する」と決まった。

 理事会では「番付編成のために力士たちを大阪に移動させ、大阪府立体育会館で技量審査をやったらどうか」という意見も出た。一般に無料開放し取組を行おうという案だが、理事長は「疑惑が拭い去られるまで、膿(うみ)を完全に出し切るまではおそらく土俵上で相撲をお見せすることはできない」と断言した。果たして、観客に囲まれた土俵に力士が立つ日は再び来るのか。大相撲の存亡を懸けた徹底調査がこれから始まる。 (岸本隆)

 

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