2011年2月6日23時6分
【モスクワ=副島英樹】ロシア外務省は5日、セルジュコフ国防相の4日の北方領土訪問に関してコメントを発表し、今回も日本政府から抗議という反応が繰り返されたことに「失望した」と表明した。「第2次世界大戦の結果として両国間に生じた領土の客観的な現実に対し、冷静で考え抜かれた対応をとるよう望む」とも述べ、ロシアの実効支配という現実を見据えた対応を日本側に求めた。
11日の前原誠司外相とラブロフ外相とのモスクワでの会談を前に、日本側が領土問題を焦点にすることを牽制(けん・せい)する狙いがあるとみられる。コメントでは、「不自然に『島の』テーマを強調しないことが、日ロ対話の静かで建設的な環境づくりにつながる」とも指摘。日本との新しい協力レベルを求めるとした。
国防相の北方領土訪問に対し、菅直人首相は4日、「極めて遺憾に思う」と述べ、前原外相も「わが国の立場と相いれずに全く遺憾」と不快感をあらわにした。外務省はベールイ駐日ロシア大使を呼んで抗議の意を伝えていた。
中東に駐在し、日々、中東の動きに接する川上編集委員が、めまぐるしく移り変わる中東情勢の複雑な背景を解きほぐし、今後の展望を踏まえつつ解説します。エジプトからの緊急報告も。