言語力:「向上推進校」に65校指定 東京都

2010年12月8日 20時24分

 児童・生徒に世界に通用する「言語力」を身につけさせるため、東京都は来年度から、都内の公立小中高の計65校を「言語能力向上推進校」に指定する。教員が言語技術を学んで授業のレベルアップに役立てる。各校はクラス討論や共通の本をテーマに意見を述べ合う活動、弁論大会などを導入し、自分の考えや意見を分かりやすく伝えることができる人材の育成を目指す。

 都が今春から取り組む若者の活字離れ対策「『言葉の力』再生プロジェクト」の一環。プロジェクトは経済協力開発機構(OECD)が実施する国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)での「読解力」向上も目指している。7~11月には教員や指導主事を対象に言語力研修を実施し、グループ討論や記述式の演習で国際社会で通用する情報分析や議論の技術を学んだ。

 また9、10月に、都立や私立の中高生、高等専門学校生らが財団法人「文字・活字文化推進機構」の言語力検定を受検。PISAが求める国際基準の言語力の検定で、生徒らは小3~6年レベルの5・6級や中高レベルの3・4級を受検した。

 こうした一連の取り組みの中で推進校の指定も決まった。都教育庁の担当者は推進校について「PISAの結果との関連も含めて客観的な検証をしながら、子供たちの思考力や表現力を向上させたい。まずは活字に親しむ学校づくりができれば」と話している。【田村彰子】

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