2010年12月8日 19時49分 更新:12月8日 19時59分
国土交通省は8日、テロ防止のために乗客の衣服を透視し、金属探知機で検知できない不審物を調べるボディースキャナー導入に向け、国の空港保安検査のガイドラインを年内に改定すると発表した。金属探知機などで不審点がある場合の追加検査に限り、従来の検査官による接触検査か乗客に選ばせる方式の予定だが、日本航空や全日本空輸などは早期導入に否定的で、導入時期や路線は未定。
国交省が7~9月、成田空港で約3000人に実証実験したところ、プライバシーについて「特に問題を感じなかった」と回答した乗客が81%に達し、導入に否定的な乗客は3%だけだったという。
検討した5機種のうち、画像がアニメーション化される機種では誤探知が少なくないことも判明。米国などで議論を呼んだ体のラインが最も鮮明に映るドイツ製の機種を推奨する結果となった。
国交省はプライバシー保護対策として、担当者を乗客と同性とし、別室で分析させるほか、画像データも検査の都度廃棄するなどの措置を盛り込む。
1台の価格は2000万~3000万円。金属探知機の数十倍で、国交省は半額を補助する方針。米国、英国のほか、カナダ、オランダ、韓国で既に導入している。【本多健】