あかつき:所長、言葉つまらせ「残念」 軌道投入失敗

2010年12月8日 14時0分 更新:12月8日 14時8分

あかつきの金星周回軌道への投入失敗について書面を読み上げるJAXA宇宙科学研究所の小野田所長(左)とプロジェクトマネジャーの中村教授=相模原市で2010年12月8日午前11時9分、八田浩輔撮影
あかつきの金星周回軌道への投入失敗について書面を読み上げるJAXA宇宙科学研究所の小野田所長(左)とプロジェクトマネジャーの中村教授=相模原市で2010年12月8日午前11時9分、八田浩輔撮影

 金星探査機「あかつき」が金星への軌道投入に失敗した。日本の太陽系の惑星探査では、火星探査機「のぞみ」に続く悪夢に、長年計画に携わった宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究者らは肩を落とした。今年6月、地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の活躍で、日本の宇宙開発への期待が高まっていただけに、関係者の落胆は大きい一方、失敗を教訓に次のチャンスへの意欲をにじませた。

 「金星周回軌道への投入ができなかったことが確認されました」--。8日午前11時過ぎからJAXA宇宙科学研究所(相模原市)で行われた会見では、冒頭に小野田淳次郎所長が資料を淡々と読み上げた。その横で、あかつきプロジェクトマネジャーの中村正人教授は伏し目がちに聴き入っていた。

 その後、中村教授は軌道投入に失敗した経緯を説明。管制室に徹夜で作業にあたった仲間に対して「言うべき事もないけれども(再び金星に最接近する)ときまで探査機を守り続けよう」と告げたと明かし、「日本としていずれ成功させないといけない。この技術を磨かなければいけないという闘志をかきたてられている」と続けた。

 小野田所長は「国民の皆さんに応援を頂いている中、こうなってしまって残念。応援を続けていただきたい」と言葉をつまらせた。【八田浩輔】

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