諫早湾干拓事業訴訟:2知事が政府に上告と上告断念を要請

2010年12月8日 12時31分 更新:12月8日 15時12分

(左)佐賀県の古川康知事(右)長崎県の中村法道知事
(左)佐賀県の古川康知事(右)長崎県の中村法道知事

 長崎県の国営諫早湾干拓事業で、潮受け堤防排水門の5年間常時開門を国に命じた福岡高裁判決を受け、長崎、佐賀両県知事が8日午前、首相官邸を相次いで訪れた。古川元久官房副長官が個別に対応し、佐賀県の古川康知事は早期の開門調査や最高裁への上告断念を要請した。一方、長崎県の中村法道知事は上告を求めた。

 この問題では、堤防設置で漁業被害が生じたとする佐賀県と、干拓地で始まっている農業に開門が悪影響を及ぼすと懸念する長崎県が対立。民主党内でも同様の構造があり、それぞれの要請には地元選出の同党国会議員が同席した。

 会談後、古川知事は記者団に「漁業者と農業者が対立する図式でなく、関係者が納得する形で開門調査を実施してもらいたい。目指すのは有明海の再生だ」と語り、中村知事は記者団に「開門されると防災上の問題が生じ、農業や水産業にも甚大な影響を与える。上告してもらいたい」と話した。

 両知事は官邸への要請に先立ち、国会内で民主党の陳情要請対応本部へも要請した。【宮城征彦】

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