2010年12月8日 10時35分 更新:12月8日 10時50分
【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)は7日、ブリュッセルでロシアとの首脳会議を開き、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に対する支持を正式表明した。バローゾ欧州委員長は首脳会議後の記者会見で「ロシアが11年にWTO加盟国となることが現実的になった」との見通しを示した。メドベージェフ露大統領も「極めて重要な合意に達することができ、満足している」と述べた。
首脳会議では、デフフト欧州委員(通商担当)とナビウリナ露経済発展相がWTO加盟に向けた覚書に署名した。ロシアは木材に課している輸出関税と、アジアからロシア経由で欧州に向かう貨物の輸送手数料を引き下げることを約束した。
ロシアは93年にWTOの前身・関税貿易一般協定(GATT)に加盟を申請したが、主要加盟国との個別交渉が長引いていた。ロシアは今年、EUに先立ち米国から加盟支持を取り付けており、メドベージェフ大統領は記者会見で「最も成功した年だ」と語った。