法人税:5%減税を財務省に指示 菅首相

2010年12月8日 2時30分 更新:12月8日 2時45分

閣議に臨む菅直人首相=首相官邸で2010年12月7日午前10時2分、藤井太郎撮影
閣議に臨む菅直人首相=首相官邸で2010年12月7日午前10時2分、藤井太郎撮影

 11年度税制改正の焦点となっている法人税率引き下げを巡り、菅直人首相は7日、経済界などが要望する5%減税を財務省に指示した。政府筋が同日明らかにした。減税による税収の減少分を穴埋めする財源の確保が難航しているが、企業の競争力強化を優先させ、企業関連の代替財源の確保にはこだわらない「実質減税」を指示した形だ。

 菅首相は今年9月、先進国で最高水準とされる法人税率(国税・地方税合計の実効税率40.69%)引き下げについて年内に結論を出すよう指示。政府税制調査会で税率5%(国税分)引き下げについて議論が進められている。

 ただ、政府税調は5%減税で減少する税収1.4兆~2.1兆円について、企業への優遇税制の廃止などで代替財源を確保するよう経済産業省に要望。経産省は現状で3000億円程度しか財源を確保できておらず、日本経団連などは「法人税を減税しても、その分を企業の増税で賄えば意味がない」と実質減税を求めている。

 首相が5%減税に強い意欲を示し、財務省は企業関連以外から財源を集めるなど調整に入った。証券優遇税制の打ち切りや所得税の控除見直しのほか、来年度予算に計上予定だった予備費の一部を活用することなどを検討する。【久田宏、寺田剛】

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